現場安全講座 現場仕事の安全対策

今回のテーマ

既存ブロック塀際を掘削中、ブロック塀が倒壊

被災者 :土工

被災の程度 : 休業4日以上


災害発生状況

被災者は、ドラグ・ショベルを使用して新設ブロック塀の掘削・床付け・砕石敷き作業を3名で行っていた。施工場所の隣地に既存ブロック塀があり、その際を掘削していたところ、既存ブロック塀が倒壊した。重機の相番作業をしていた被災者が、倒壊した既存ブロック塀に挟まれた。
既存ブロック塀の倒壊防止策(補強等)は実施していなかった。

原因

● 工事実施に当たって、法令に規定されている措置の実施について、不十分であった。
● 作業手順書はあったが、近隣状況等を考慮したものでなく、その指導も不十分であった。
● 補強措置等がなされないまま作業が進んだ結果、ブロック塀が倒壊した。
● 隣地側既存ブロック塀際の掘削に当たり、特に問題なく掘削できると思い込んだが、実際には危険な状態であり、倒壊した。
● 被災者は、万一既存ブロック塀が倒れた場合、巻き込まれる位置で作業をしていた。
● 万一倒壊する危険性を考えた作業ピッチの事前検討が不十分であった。

対策

● 安衛則第362条第1項(補強・移設する等の危険防止措置)に規定された措置を講じる。
● 施工計画に基づく作業手順書を作成する。
● 施工検討会議で決定の施工計画及び作業手順書に遵守した作業の実施を徹底する。
● 安全設備の設置がない状況下での作業禁止の徹底を図る。
● 想定と違うリスクが考えられる場合は作業を中止する等状況を確認し、対策を検討する。


(協力) 建設業労働災害防止協会 技術管理部