掲載日:2026年9月30日
私は中小企業の経営者です。
私には妻と子供が1人おります。
現在、私の財産はおおむね2億円程度です。
もし私が亡くなった場合、妻と子供にどのくらいの相続税がかかりますか?
また、相続税の負担を軽くする方法があれば教えてください。
まず、財産2億円を正味の遺産額と仮定して、相続税がどのくらいになるかを計算してみましょう。
推定財産が2億円で、法定相続人が奥様とお子様の2人ですから、相続税の基礎控除額は、3,000万円+600万円×2人=4,200万円となります。
したがって、課税遺産総額は、2億円-4,200万円=1億5,800万円となります。
相続税の総額を計算するときは、この1億5,800万円を法定相続分に応じて取得したものとみなして計算します。奥様とお子様の法定相続分は、それぞれ2分の1です。
(妻)1億5,800万円×1/2=7,900万円
7,900万円×30%(相続税率)-700万円(控除)=1,670万円
(子供)1億5,800万円×1/2=7,900万円
7,900万円×30%-700万円=1,670万円
したがって、相続税の総額は、1,670万円+1,670万円=3,340万円となります。
相続税法には「配偶者の税額軽減」という制度があります。
配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額までであれば、配偶者には原則として相続税がかかりません。
ご相談の事例で、仮に奥様が1億6,000万円、お子様が4,000万円を相続したとすると、各自の相続税の負担は次のようになります。
奥様の税額は、相続税の総額3,340万円×1億6,000万円÷2億円
=2,672万円となりますが、配偶者の税額軽減を適用することにより、奥様の相続税は0円となります。
一方、お子様の相続税負担額は、3,340万円×4,000万円÷2億円
=668万円となります。
したがって、この前提では、実際に納付する相続税は668万円となります。
相続税には、配偶者の税負担を大きく軽減する制度があります。
今回のケースでは、奥様が1億6,000万円、お子様が4,000万円を相続した場合、奥様の相続税は0円となり、お子様の668万円だけが相続税の負担となります。ただし、奥様に多くの財産を相続させれば、必ず有利になるとは限りません。
奥様が相続した財産は、将来、奥様が亡くなったときの「二次相続」の対象となります。今回の家族構成のままであれば、二次相続では配偶者の税額軽減が使えず、相続人も1人となるため、基礎控除額も少なくなります。
そのため、相続税対策では、今回の相続だけでなく二次相続まで含めて検討することが大切です。
なお、配偶者の税額軽減を適用するためには、相続税の申告が必要です。
具体的な遺産分割については、奥様の年齢や健康状態なども踏まえ、顧問税理士にご相談ください。
