現場安全講座 現場仕事の安全対策

今回のテーマ

解体中のコンクリート塊が落下し、解体用重機の運転席を直撃

被災者 :重機運転工

被災の程度 : 死亡


災害発生状況

ロングブームを取り付けた重機を使用して、工場本体建屋の南側3階躯体コンクリートを縁切りし、重機を設置している内部側に倒す作業中、3階の位置に留まっている予定の コンクリート塊が鉄筋に付着されたまま突然崩れ、下層の躯体に当たりながら跳ね、重機運転席に飛来・落下した。

原因

● 不安全な姿勢・危険位置での作業であり、鉄筋は破断しないとの思い込みから解体物の落下に対する判断ミスがあった。
● 解体高さを優先したため、重機選定にミスがあった。
● 作業・安全計画・作業手順の不完全・未作成であった。
● 連絡調整に対する元請けの介入不足・不履行であり、不安全作業が見落され、黙認されていた。

対策

● 勘違い防止や作業位置の修正を行うために、解体中の作業状況を常に近接者である作業指揮者から無線で重機運転工に伝え、判断材料となる情報を共有する。
● 不測の事態に備えるために、解体用重機をランクアップした重機に入れ替え、今までの機械位置よりも離れた位置から解体を行う。
● 作業ごとに解体用重機の運転工が考えている縁切り位置の打合せを行い、危険要素の洗い出しと対策を関係者全員で共有する。
● 作業中に判断する事項は、元請け社員にも共有し、作業の統一管理を強化する。