Daichi Report

水中施工ロボットが活躍する「未来の水中工事」

「未来の都市」パビリオンに出展。大阪・関西万博、まもなく開幕!
「重要性の高まる水中工事を、どうしたら安全に効率よく実施できるのだろうか」との思いから
誕生した水中施工ロボットは、人々のくらしや環境を「守る」未来の技術となっていく

浚渫工事は、より安全で、より生産性の高いものに進化する

近年、自然災害は気候変動により激甚化・頻発化し、世界各地で大型の台風や豪雨による河川の氾濫といった災害があとを絶たない。そして河川やダム、港湾部に溜まった砂が水害を悪化させるため、浚渫工事の重要性は高まってきている。しかし、その浚渫工事はさまざまな制約によって十分に実施できていないのが現状だ。
地形や天候といった環境による制約に左右されず、安全に広範囲を効率的に浚渫するというニーズに応えるべくコマツが開発を進めているのが「水中施工ロボット」である。水中施工ロボットの足回りは長く、幅広な湿地仕様で、軟弱地での作業に対応し、最大水深50mを目指している。もちろん、エンジンをバッテリー駆動式にするなど環境への配慮もばっちりだ。そして、河川やダム、港湾などの浚渫工事以外にも、機体後方部に作業に応じたアタッチメントを取り付けることで、多様な水中工事に対応が可能。例えば干潟の耕うんや、新たな藻場の造成といったブルーカーボン生態系にも貢献できる。

どこでも「現場」に、誰でも「職人」に

従来の工事現場では、経験豊富な職人たちの技術頼りになっていたことや、昨今の日本における少子高齢化による労働人口の減少によって、建設現場では「担い手不足」が深刻な問題となっている。そのため技術の継承や、人材確保、作業の効率化が現在の急務だ。
これらの社会課題を水中施工ロボットは解決することができる。水中施工ロボットは最新のICT機能・自動制御を備えており、工事範囲全体を高い精度で設計面に沿った形状へと仕上げることが可能となっている。また、遠隔操作のモニターには機体の走行データなどがリアルタイムで表示され、オペレーターは現場から離れた場所で安全に作業を行えるのだ。属人的な仕事になりやすかった水中工事が、「職人技」がなくても誰もが参加できるようになる。まさに、未来の工事の姿といえるだろう。

Society 5.0が目指す「未来の都市」が体験できる

大阪府の夢洲にてまもなく開催される「大阪・関西万博」。コマツと青木あすなろ建設株式会社は未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」のパビリオンに協賛している。Society 5.0が目指す未来の都市では、どのような知恵が活かされ、どのような幸せが生まれてくるのか。その答えを、博覧会協会と協賛12者が提案し、来場者と共に考える舞台が、この「未来の都市」だ。 全長約150m、展示面積約3,300m²と大阪・関西万博の中でも大規模で、パビリオン内には未来社会を体験できる15のアトラクションがある。コマツの展示ブースでは、水中施工ロボット(コンセプトマシン)の精緻な大型模型など「未来の水中工事」についての体験型ブースを構えている。ぜひ大阪・関西万博に足を運んで、パビリオンのテーマの広がり、深さ、そして壮大なスケールを体験・体感してほしい。