企業の経営スタイルに応じて価値を生み出すICT建機

※ 本誌の写真は安全に配慮された場で撮影されたポージング用写真となります

福井県でICT建機の導入をサポートするコマツサービスエース。先進的かつ献身的な取り組みで、ICTの拡大に寄与している。

 福井県で建機の販売やメンテナンス、レンタルを行っているコマツサービスエース株式会社。県内の企業に向けて、ICT建機の導入を推進している。既にICTを導入している企業に対しては、「現場を止めないこと」をミッションに万全のサポート体制を整え、現場の稼働を支えている。また、ICT建機を導入していない企業に対しては、デモ機のレンタルを行うなど、ICT建機の裾野の拡大に尽力している。通常の営業活用のほかに、お客さまがICTのメリットを知る機会となり、操作性や機能性の理解促進につながる各種イベントも展開している。

セミナーや試乗会を実施

 コマツサービスエースでは、ICT建機やスマートコンストラクションがまだこの業界に浸透していなかった2013年より、いち早くICT普及に向けた取り組みを開始。同年から始めた「ICTセミナー」は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が出る前の2019年まで毎年開催された。そして20222月、同社保有のスマコンレトロフィット(後付けICT機器)搭載車の試乗会を3年ぶりに行い、多くのお客さまに導入をご検討いただいた。

 店舗においても、国が推し進めている「i-Construction」に柔軟かつ迅速に対応するため、店舗を前線基地=ベースキャンプ化し、「現場を止めない」GQ活動(Genba Quality)を合い言葉にお客さまへのサービス向上に奮闘中だ。

坂井市にあるi-ConホームベースSRS事業本部

2018年に完成したベースキャンプ第一号店の大野店

2022年新設のi-ConベースキャンプTRG(敦賀)

 以下、コマツサービスエースからのさまざまなアクションを通じて、独自のスタンスでICT建機を導入し多くのメリットを実感している5社を紹介する。

福井のICT施工をけん引 (株)道端組

 創業1912年、設立1944年。110年もの歴史を誇る、福井におけるICT施工のリーディングカンパニー。10年以上も前からICTを取り入れている。ICT施工が社内に浸透しており、経験が少ない作業員でも十分なクオリティーの業務を実現しているが、その反面、作業員自身のスキル向上が課題となっている。今後は、作業員の技術力向上と業務効率化のバランスを考慮しながら、ICT施工を推進していく考えだ。

(左から)工事計画部課長 ICT担当 木原正和 氏 代表取締役社長 道端健太 氏 土木工事部 南北学 氏

若手中心にICTを積極活用 (株)イワタ

 国土交通省が進めるICT活用工事への対応としてICTを導入した。当初は、ICT施工が十分な精度を確保できるものか懐疑的であったため、3Dデータと並行し、丁張も設置して業務を行ったという。現在では「ICTがないと作業ができない」というくらい、ICTは重要な位置づけとなっている。今後は、若手作業員を中心にICT建機を積極的に活用し、更なる事業拡大を図る。

コマツサービスエースのデモ車を使っての作業

(左から)工事部 関秀夫 氏 工事部 成田信秀 氏

ICTが可能にする分業化 坂川建設(株)

 1910年の創業以来、110年以上の歴史を通じ、土木建設請負業一筋で歩んできた。年間で23件程度、ICT施工を行っている。3Dデータによる現場の可視化で、経験の少ない若手作業員も仕上がりをイメージできることから、ミスが激減し、効率化を実現している。更なる技術革新により、データ管理と現場施工の分業化が進み、効率化がいっそう加速していくことに期待を寄せている。

(左から)土木部 工務課ICT担当 後藤哲史 氏 土木部 第一部課長 竹内克尚 氏

ICTとオペのバランス考慮 (株)清水組

 国土交通省が進めるICT活用工事受注をきっかけに、ICT施工に着手。PC200iを導入し社内への浸透を図った。現在では、後付けのレトロフィット装着機も保有している。若手作業員はPC200iを操作し、熟練作業員はレトロフィット機を使うなど、ICT建機とオペレーターのバランスに配慮し、業務の効率化を推進している。今後の受注状況を考慮し、ICT建機の拡充を図る考えだ。

(左から)土木部 係長 西坂祐亮 氏 土木部 主任 竹内陵 氏

ICTの積極活用を目指す (株)坪内建設

 国土交通省近畿地方整備局工事成績優秀企業認定を受けており、ランキング1位を受賞したこともある。施工品質の高さは評判だ。2016年に後付けのマシンガイダンスを導入したことを契機にICTを取り入れている。工程の短縮化や労務費の削減など、ICT施工によるメリットを実感し、マシンコントロール機を購入。積極的にICT建機を導入し、業務の効率化を目指すという。

コマツサービスエースのデモ車を使用中の現場

代表取締役 坪内翔二朗 氏