現場安全講座 災害事例に学ぶ 現場仕事の安全対策

今回のテーマ:油圧ショベルの足元の法肩が崩壊し、転落

被災者 : 特殊車両運転手(70歳)    被災の程度 : 休業140日

災害発生状況

 クレーン機能付き油圧ショベルで大型土嚢(重量1トン)の設置作業を行っていたところ、足元の法面の法肩部分が崩壊したため、油圧ショベルが法面を滑り落ちながら転落し、底面で横倒しとなった。被災者はキャビン内で身動きがとれなくなったが、他の作業員によって救出された。

原因

  • 油圧ショベルを法肩に近づけて荷重をかけたため、法肩が崩壊した。
  • 作業箇所が狭く工事車両の通過を容易にするため、油圧ショベル用の敷鉄板を当初計画より法肩に近く設置してしまった。
  • 作業計画に法肩からの離隔について具体的な数値が明示されていなかった。

対策

  • 建機作業では、敷鉄板を過信せず法肩が崩壊しない位置で作業を行う。
  • 作業計画書には、油圧ショベルの法肩からの離隔距離を明示し、関係者に周知徹底する。

 

(監修) 建設業労働災害防止協会 安全・衛生管理士 本山謙治