掲載日:2026年9月4日
私は中小企業の経理担当者です。
当社は来年、創立40周年を迎えます。そこで、社長から次のような記念行事を行うよう指示されました。
①40周年記念誌の作成費用……300万円
(@2,000円×1,500冊)
40周年記念誌については、約1,000冊を②記念パーティーに参加する取引先や③従業員、近隣住民のほか、地元の商工会、金融機関、図書館などにも広く配布する予定です。
残りの500冊は会社で保管し、今後の事業の広告宣伝などに活用する予定です。
②取引先を招いて県内のホテルで行う記念パーティー費用……500万円
取引先などを招待して創立40周年記念パーティーを開催する予定です。
参加者からのご祝儀は辞退する予定です。
また、参加者全員に40周年記念誌を贈呈するとともに、当日参加されなかった取引先にも記念誌を贈呈する予定です。
③従業員全員と会社の近隣住民に配る紅白餅代……100万円
(@2,000円×500人)
創立40周年を記念して、従業員全員と会社の近隣住民に紅白餅を配る予定です。
せっかくなので、通常の紅白餅ではなく、餡入りのものを購入する予定です。
ただし、餡入りの紅白餅は日持ちしないため、当日配布できずに残ったものについては廃棄する予定です。
以上、①から③まで合計900万円の費用を予定しています。
これらの費用について、会計上・税務上どのように処理すればよいでしょうか。
創立40周年記念行事の費用は、すべてを同じ勘定科目で処理するのではなく、「誰に、どのような目的で支出したか」によって区分します。
1.40周年記念誌の作成費用
記念誌1,500冊、300万円については、配布先によって処理が異なります。
図書館や近隣住民などに広く配布し、会社のPRを目的とするものは「広告宣伝費」、取引先や金融機関など特定の事業関係者に贈呈するものは原則として「交際費」、従業員に一律に配布するものは「福利厚生費」として処理することが考えられます。
また、決算期末に未配布の記念誌が残っている場合には、その分は原則として「貯蔵品」として資産計上します。
例えば500冊、100万円分が残っている場合には、100万円を貯蔵品として計上し、実際に配布した時点で費用に振り替えます。
2.取引先を招待する記念パーティー費用
取引先を招待してホテルで行う記念パーティー費用500万円は、原則として「交際費」として処理します。
なお、社外の者との飲食費については、1人当たり1万円以下で一定の記録を保存している場合には、交際費等から除外される制度があります。
そのため、参加人数や飲食費、会場費などの内訳を明確にしておくことが大切です。
3.従業員と近隣住民に配る紅白餅
従業員全員に一律に配る紅白餅については、金額が社会通念上相当であれば「福利厚生費」として処理することができます。
一方、近隣住民に広く配布し、会社のPRや地域との関係づくりを目的とするものについては、「広告宣伝費」として処理することが考えられます。
また、当日残ったものを廃棄するとのことですので、実際に廃棄した分を貯蔵品として計上する必要はありません。
ただし、購入数、配布数、廃棄数について簡単な記録を残しておくとよいでしょう。
創立記念行事の費用は、「周年行事だからすべて同じ経費」と考えることはできません。
同じ記念品でも、取引先に渡せば交際費、従業員に渡せば福利厚生費、一般の方に広く配れば広告宣伝費となるなど、相手や目的によって取扱いが変わります。また、決算期末に残っている記念誌などは、貯蔵品として資産計上が必要になる場合もあります。
周年行事を計画するときは、「誰に、何を、いくら使うのか」を事前に整理しておくことが大切です。
