掲載日:2026年8月7日
私は建設業を営む中小企業の経理担当者です。
当社では当期に油圧ショベルを購入しましたが、経営力向上計画の認定が間に合わなかったため、即時償却をあきらめ、30%の特別償却ができる「中小企業投資促進税制」を利用しようと考えています。
当社は10月決算で、定率法を採用しています。
7月に2,000万円の油圧ショベルを購入し、すぐに現場で使用しました。
10月決算では、いくらまで減価償却費を計上できるのでしょうか。
また、当期末の未償却残高は、翌事業年度以降どのように処理するのでしょうか。
中小企業投資促進税制は、租税特別措置法第42条の6に規定されている優遇税制です。
一定の機械装置等を導入した場合、普通償却とは別に、取得価額の30%の特別償却、または7%の税額控除を受けることができる制度です。
今回は、油圧ショベルが「総合工事業用設備」に該当し、法定耐用年数6年、定率法の償却率0.333が適用されることを前提に計算します。
当期に計上できる減価償却費の限度額は、次の①普通償却費と②特別償却費の合計額となります。
① 普通償却費
2,000万円 × 0.333 × 4か月 ÷ 12か月=222万円
② 特別償却費
2,000万円 × 30%=600万円
したがって、当期に計上できる減価償却費の限度額は、
222万円 + 600万円 = 822万円 となります。
なお、未償却残高1,178万円(2,000万円-822万円)については、翌事業年度以降、定率法による普通償却を行い、最終的に備忘価額の1円まで減価償却費を計上することができます。
御社の場合は法人ですので、普通償却・特別償却ともに、税務上の償却限度額の範囲内で、いくら減価償却費を計上するかは任意です。
ただし、実務では税務上の取扱いだけでなく、金融機関から見た決算書の内容や、会社の利益計画なども重要になります。
そのため、特別償却を利用するかどうかや、減価償却費をいくら計上するかについては、税務面だけで判断せず、会社の利益計画や決算内容への影響も踏まえ、顧問税理士と相談したうえで決定することをおすすめします。
