少額減価償却資産の特例を決算対策に活用

掲載日:2026年7月10日

【セミナでのご質問】

私は中小企業の経理担当者です。
当社は建設業を営む9月決算の会社で、当期の利益は1,000万円程度になる見込みです。
先日、機械メーカーの営業担当者から、「40万円未満の減価償却資産であれば、一事業年度300万円まで即時償却できる特例がある」と聞きました。
このような制度は本当にあるのでしょうか。また、当社の当期の利益が1,000万円とした場合、この特例を300万円分活用すると、どの程度の節税効果が期待できるのでしょうか。

【キド先生からの回答】

営業担当者がお話しされた内容は、そのとおりです。

中小企業には、40万円未満の少額減価償却資産について、一事業年度300万円まで取得した年度に全額を損金算入できる特例があります。

つまり、対象となる減価償却資産を合計300万円まで購入した場合には、その300万円全額を当期の損金として処理することができます。

ただし、この300万円の限度額は一事業年度ごとに適用されるため、使い切れなかった枠を翌事業年度へ繰り越すことはできません。

御社の場合、当期の課税所得が1,000万円と見込まれる中で、この特例を300万円分活用すると、課税所得は700万円となり、法人税等は約61万円軽減される見込みです。

項 目 現 状 少額減価償却活用
①  課税所得(予想) 1,000 1,000
②  少額資産300万円の償却額 300
③  課税所得 1,000 700
④  法人税額 166 105
⑤  法人税の節税額   61
【キド先生のコメント】

この特例は、令和8年度税制改正により対象となる資産の取得価額が40万円未満へ引き上げられ、より活用しやすい制度となりました。
また、一事業年度につき300万円まで利用できますので、年度の途中から対象資産の購入額を把握し、残りの利用枠を管理しながら設備投資を進めることが大切です。
なお、この特例の対象となるのは、一定の要件を満たす減価償却資産に限られます。例えば、バケットなど機械の付属品は対象外となりますので、購入前に適用の可否を確認しておくと安心です。
また、令和8年度税制改正では、常時使用する従業員数が400人を超える法人は、この特例の対象外となっています。
詳しくは顧問税理士にご相談ください。