掲載日:2026年6月30日
私は機械の営業担当をしています。
先日、あるお客様に3,000万円の機械をご購入いただき、請求金額3,300万円(本体価格3,000万円+消費税300万円)の請求を行いました。
その際、お客様から、
「消費税10%で300万円か。お前の会社は消費税のおかげで大もうけだな。」と、冗談まじりに言われました。
本当に消費税300万円の部分は当社の利益になるのでしょうか。教えてください。
結論から申し上げますと、お客様がお支払いになった消費税300万円が、そのまま販売会社の利益になるわけではありません。
消費税は、事業者が負担する税金ではなく、最終的には消費者が負担し、事業者はその税金を預かって国に納付する役割を担っています。
(1)消費税300万円の性質
今回、お客様から受け取った300万円は、販売会社にとっては売上に係る消費税です。
しかし、この金額は会計上も税務上も会社の利益を構成するものではなく、国に納付すべき税金として処理される性質を有しています。
したがって、本体価格3,000万円と消費税300万円は区別して考える必要があります。
(2)販売会社の税務上の取り扱い
販売会社は、お客様から受け取った消費税の全額をそのまま納税するわけではありません。
機械の仕入れや部品代、外注費、設備投資などの支払いの際にも消費税を負担しているため、売上時に預かった消費税から、仕入れや経費に含まれる消費税を控除した残額を税務署へ申告・納付します。
例えば、売上に係る消費税が300万円、仕入れ等に係る消費税が200万円であれば、差額の100万円を納付することになります。
このように、販売会社は消費税を一時的に預かり、計算のうえ納税する立場にあるため、消費税相当額がそのまま利益になるわけではありません。
(3)お客様の税務上の取り扱い
一方、お客様が当社へ支払った消費税300万円については、原則として仕入税額控除の対象となります。
そのため、お客様は自社の売上に係る消費税を計算する際に、当社へ支払った消費税を差し引くことができます。
したがって、お客様が当社へ支払った消費税は、お客様にとっても税務上考慮されるものであり、販売会社だけが利益を得る仕組みにはなっていません。
お客様がおっしゃった「消費税だけで300万円か」という言葉には、「支払う側としては大きな負担だな」というお気持ちも含まれていたのかもしれません。
確かに300万円という金額は決して小さくありません。しかし、この消費税は当社の利益になるものではなく、税法に基づいて適正に申告・納税しています。
そのため、「確かに大きな金額ですよね。ただ、この消費税は当社の利益になるものではなく、国に納める税金なんです。」といった形で、お客様のお気持ちに共感しながら説明するとよいでしょう。
営業活動では、制度を正しく説明することも大切ですが、まずはお客様の立場やお気持ちを理解する姿勢が信頼関係につながります。消費税の仕組みを分かりやすくお伝えしながら、日頃から良好なコミュニケーションを心掛けていただきたいと思います。
