花火大会の有料観覧席を購入した場合の会計処理

掲載日:2026年6月12日

【セミナでのご質問】

私は公共工事を中心に行う建設会社の経理担当者です。
このたび、地元の市町村が主催する花火大会が開催されることになりました。市町村の担当者から、「大会運営資金の確保のため有料観覧席を設けたので、ぜひ購入を検討してほしい」と依頼を受けました。
社長からは、「地元との良好な関係を大切にしたいので、観覧席を購入してほしい」と指示されています。
そこで、1席2万円の観覧席を10席、合計20万円分申し込む予定です。
利用者は、当社の全社員8名と、顧問税理士1名、取引先の担当者1名を予定しています。
この20万円は、どのように会計処理すればよいのでしょうか。

【キド先生からの回答】

公共工事を受注する企業にとって、地元自治体との良好な関係を維持することは重要です。
今回の花火大会の観覧席料については、利用者ごとに費用の性質が異なるため、区分して処理する必要があります。
まず、社員8名分の観覧席料(16万円)については、社員の親睦や福利厚生を目的としているのであれば、「福利厚生費」として処理することができます。
一方、顧問税理士や取引先担当者のための観覧席料(4万円)については、取引関係の維持や円滑な業務遂行を目的とした支出と考えられるため、「交際費」として処理するのが一般的です。
なお、中小企業の場合、一定の要件のもとで交際費は年間800万円まで損金算入が認められています。
ただし、会社の事業と関係のない人を招待した場合は注意が必要です。例えば、社長の家族や友人など事業に関係のない人の費用を会社が負担した場合、その部分は社長個人への経済的利益の提供とみなされ、賞与として課税されます。

【キド先生のコメント】

地元自治体との関係づくりは、地域に根差した企業経営において大切な要素の一つです。
しかし、税務上は「会社の事業に必要な支出か」「従業員の福利厚生のための支出か」という観点から判断することが重要です。
社員の慰安や親睦を目的としたものであれば福利厚生費、取引先などを招待するためのものであれば交際費として処理できます。反対に、会社の事業と関係のない家族や友人のための費用は、会社の経費として認められません。
税務上の取扱いは個別の事情によって異なることもありますので、判断に迷う場合は顧問税理士へご相談ください。