機械の購入に伴う旧機械の下取りの税務

掲載日:2026年3月30日

【セミナでのご質問】

私は建設機械の営業担当です。
あるユーザの社長から、新しい機械の購入について相談を受けました。
しかし、その会社の顧問税理士から次のような説明を受けたそうです。
「下取りに出す機械は、購入時に即時償却を行っているため、帳簿価額は1円(備忘価額)になっています。そのため、下取り価額がそのまま“下取り益”となり、税金の負担が発生します。」
これを聞いた社長から、「機械の入替をするだけで税負担が増えるのは困る。」と言われてしまいました。
このような場合、営業担当としてどのように対応すればよいでしょうか。

【キド先生からの回答】

(1)ユーザの顧問税理士の説明について

まず、ユーザの顧問税理士の説明は基本的に正しいといえます。
即時償却とは、機械などの取得価額をその年に全額減価償却する制度です。そのため、帳簿上の価額は最終的に1円(備忘価額)となります。
この状態で機械を下取りに出すと、下取り価額の大部分が「下取り益」として計上され、税負担が発生します。
ただし、これは不利な取扱いというよりも、過去に即時償却を活用したことで税負担を軽減していた結果であり、税負担のタイミングが変わったにすぎないともいえます。
この点は、経営者に正しく理解していただくことが重要です。

(2)今回考えられる対応策

営業担当としては、税負担だけに着目するのではなく、投資全体でのバランスを踏まえた提案を行うことが有効です。
具体的には、今回の新しい機械についても、即時償却などの優遇税制の活用を検討してみてはどうかと提案する方法があります。
もし新しい機械について即時償却等が適用できれば、旧機械の下取り益が発生しても、それを上回る費用計上が可能となります。
その結果、税負担を抑えながら設備更新を進めることができます。
また、あわせて以下の点も整理して説明すると、経営判断につながりやすくなります。

  • 新機械導入による生産性の向上
  • 修繕費や故障リスクの低減
  • 中長期的な収益改善
  • キャッシュフローへの影響

このように、単なる税金の増減ではなく、経営全体で見た投資効果として説明することが重要です。

【キド先生のコメント】
なお、旧機械の下取り価額は、信頼できる査定機関に依頼することが重要です。
客観的な下取り価格でない場合、税務調査で妥当性を問われる可能性があるため、根拠を明確にしておくことがリスク管理の観点からも求められます。