決算対策での敷き鉄板の購入

掲載日:2025年11月10日

【セミナでのご質問】

私は中小建設業の経理担当をしています。
このたび、会社の決算で利益がかなり出る見込みになりました。そこで、期末までに現場で使用する「敷き鉄板」を購入しようと考えています。
購入予定は、1枚あたり15万円の鉄板を40枚で、総額600万円(税抜価額)です。このような場合、できるだけ多くを経費として処理するには、どのような方法があるのでしょうか。

【キド先生からの回答】

まず、敷き鉄板のような備品は、1枚ごとが独立した減価償却資産として扱われ、1枚あたりの金額で会計処理を判断することになります。 今回の敷き鉄板は1枚15万円ですので、原則としては固定資産に計上し、数年にわたって減価償却によって経費化していくことになります。しかし、税制上の特例を活用すれば、購入した年により多くの金額を経費として計上することが可能です。


  1. 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
  2. この制度は、一定の中小企業者(資本金1億円以下で常時使用する従業員が500人以下の場合の法人等)が青色申告を行い、取得価額が1単位当たり10万円以上30万円未満の減価償却資産を購入した場合、計300万円までは通常の減価償却費としてではなく、購入価額の全額を損金算入することができます。
    そのため、ご質問の場合、敷き鉄板20枚(計300万円)までは損金算入できます。

  3. 一括償却資産の損金算入
  4. この制度は取得価額が20万円未満の減価償却資産について、3年で均等償却を行うことができます。
    ご質問の場合、残りの敷き鉄板20枚(計300万円)をこの方法で処理すれば、300万円 ÷ 3年 = 各期100万円ずつを損金算入することが可能です。
【キド先生のコメント】

つまり、敷き鉄板20枚(計300万円)については、「少額減価償却資産の特例」を利用し、購入した年に全額損金算入できます。
次に、残りの20枚(計300万円)については、「一括償却資産」として3年間で均等に経費化し、当期は100万円を損金にすることが可能です。詳しくは顧問税理士と相談してください。