即時償却を利用できる事業者

掲載日:2025年10月10日

【セミナでのご質問】

機械を購入してくださるユーザには、法人組織の方も個人事業の方もいらっしゃいます。
即時償却が適用できる対象者は、どのような条件のユーザなのでしょうか?
個人事業の方でも認められるのでしょうか?

【キド先生からの回答】

「即時償却」は、租税特別措置法第42条の12の4に規定されている「中小企業経営強化税制」で認められている制度です。
この制度を利用すると、対象となる機械や設備を購入した年度に全額経費(即時償却)として計上できます。そのため、設備投資を積極的に行う中小企業や個人事業者にとっては、資金繰り改善や投資回収の面で大きなメリットがあります。
同条では、適用対象者を「中小企業者等」とし、青色申告書を提出することを条件としています。
■「中小企業者等」の要件は次の通りです。
●資本金又は出資金が1億円以下の法人
●資本や出資がない法人で、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
●常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業者
●協同組合等

したがって、個人事業の方でも、常時使用する従業員数が1,000人以下で、青色申告を行っている場合には、この優遇税制を利用することができます。

【キド先生のコメント】

ただし、次の法人は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても対象とはなりません。
①同一の大規模法人から2分の1以上の出資を受ける法人
②2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
③前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人
さらに、即時償却の適用には、購入する機械や設備が特定の条件を満たしていることが必要です。
そのため、実際に制度を利用する際は、顧問税理士とよく相談して適用条件をご確認ください。