現在、すべての工程を機械で行っているが、選別工程は長い間人力で行われていた。4人の作業員が鳶という道具を使って重量のある原木を持ち上げて検査を実施。原木のリターンベルトへの移動も、チェーンソーでの切断作業もすべて人力。体力的に大きな負担になるとともに危険を伴う作業となっていた。
そこで、効率と安全を確保するために、同社では1994年にグラップルソーを装着したPC60-7を導入。これまで4人がかりだった作業が1人で安全に行えるようになり、業務の大幅な効率化が実現した。
ところがしばらくすると、粉塵を原因とするラジエーターの目詰まりが発生し、オーバーヒートが頻発するようになった。そこでコマツは電動式への切り替えを提案。1996年に、エンジン駆動式PC78US-2を有線式電動仕様へと改造し導入した。「有線式電動油圧ショベルなら目詰まりや排ガス、振動もありません。とても快適に作業できました。エンジンに対し低出力なモーターを採用したと聞きましたが、実務上でパワー不足は感じられず、業務が効率化できました」と、取締役原材料事業部担当部長の岩城純一氏は初めて有線式電動油圧ショベルを導入した時の感想を語る。このPC78US-2の電動仕様機は大きな故障もなく、3万6,000時間という驚異的な稼働時間を記録した。
株式会社ニチモク林産北海道
取締役原材料事業部長兼営林事業部長 小田弘昭 氏