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鉄から拡がる資源のリサイクル事業を建設機械のパワーと性能が支える

日本磁力選鉱 株式会社 社長 原田 信 様

鉄鋼スラグのリサイクルからレアメタルの都市鉱山開発へ

かつては日本を代表する製鉄の町として栄え、公害問題を克服して、環境モデル都市にに生まれ変わった北九州市。日本磁力選鉱株式会社は、ここ北九州市で戦後間もなくから鉄鋼副産物の「リサイクル」に組んできた先進企業だ。コマツの建設機械のパワーと性能、耐久性で作業の効率化を進める同社は、総合リサイクル企業として事業の幅を広げている。

「スラグのリサイクルはいろいろな意味で”いい”仕事なんです」。日本磁力選鉱・代表取締役社長の原田信さんは言う。「環境にいいのはもちろん、競合企業が少なく、廃棄物処理とリサイクル製品で事業としての効率もいいんです」
競合企業が少ない一因は、参入するには多額の設備投資と操業ノウハウが必要だから。日本磁力選鉱が鉄鋼副産物の”リサイクル”に参入したのは1949年。創業者で原田さんの祖父にあたる原田源三郎氏が特許を取った「原田式交流磁選器」で高炉ガス灰からの鉄分を選別する技術が認められ、福岡県八幡市(現・北九州市)の八幡製鐵所で採用されたの がルーツだ。
この技術を鉄鋼スラグの処理に応用したのが1955年。それから半世紀以上かけて技術を蓄積し、設備を整え、今では北九州市の苅田工場をはじめとした全国の工場で日本の鉄鋼スラグの30%を処理している。
現在はリサイクルの幅をさらに広げ、銅、アルミニウム、レアメタルなどの鉄以外の金属リサイクルにも力を入れている。廃棄される家電やパソコン、携帯電話などから資源を取り出すいわゆる”都市鉱山”の開発だ。1tの古い携帯電話(いわゆるガラケー)からは約400gの金が取れるという。
「2008年にレアメタル・貴金属濃縮回収の実証実験を開始した当初の小型電子機器類の取扱量は、年間3t程度でした」。教えてくれたのは非鉄リサイクルを扱うひびき工場長の辻村秀二さん。「その後、小型家電リサイクル法が施行され、契約自治体を増やしていき、2013年6月には小型家電リサイクル法の認定業者に選ばれ、取扱量は、現在年間400tまで伸びてきました」

 

比重の大きいスラグ処理はパワーと耐久性が必要

日本磁力選鉱は、金属リサイクル・プラントなどの製造・販売を国内外で行うメーカーとしての顔を持っている。そんな機械の専門家から見ても、リサイクル工場の稼働にはコマツの建設機械が適しているという。
土砂を扱う現場とは違い、金属塊を含み、摩耗性の高いスラグを扱う工場内は、建設機械にとっては過酷な現場だ。苅田工場では毎日作業後、1時間かけて建機を洗うそうだ。機械をきれいに使う、大切に使うことはもちろん大事だが、洗うことで小さな異常がチェックでき、大きな故障になる前に修理に出せるからだ。
「特にスラグは比重が大きいので、パワーがあり、丈夫な建機でないと仕事にならないんです」と語ってくれはスラグ処理事業を取り仕切る鉄鋼生産部長の利光孝司さん。「メインで使うホイールローダや油圧ショベルにコマツの建機が多いのは、壊れにくいことと、メンテナンスなどのサービスがいいからです。」
「 基本的にはオべレータが乗りやすい機械を導入しますが、修理代や燃費などのランニングコストを考えるとコマツがいいですね」と、原田さんもいう。
現在、全国で稼働している51台の建機中、34台がコマツ。作業の効率化には欠かせないパートナーとなっている。コマツでも作業に合ったアタッチメントを用意するなど、日本磁力選鉱の事業をサポートしている。

 

パートナーとともに さらに新しいリサイクルを

半世紀以上も製鋼スラグリサイクルに関わってきた日本磁力選鉱だが、時代はさらなるリサイクルを求めている。
「今、経済産業省の事業で、携帯電話、ノートパソコンから電気自動車まで、幅広く使われているリチウムイオンバッチリーのリサイクルを研究しています」と、原田さんは教えてくれた。 「製錬メーカーとの共同研究ですが、2、3年後には実用化したいと思っています」
鉱物資源は少ないが、機械があふれている日本では、金属リサイクルは大きな可能性を秘めた分野だ。日本磁力選鉱が磨いてきた“分けるノウハウ”は、あらゆる金属リサイクルに応用できる可能性を秘めている。
そしてその事業は日本にとどまらない。アジア各国やロシアなどのニーズに対応して、プラントや技術を輸出しているのだ。2012年から2014年にかけ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を受けて、インドのムンバイで「先進的電気電子機器廃棄物リサイクルシステムに係る研究開発・実証事業」に取組んでいる。まだまだ技術が低いアジアでリサイクル技術を確立することは、世界の環境改善にも貢献することになる。
「建機を上手に使って効率化を図ることは、私たちの生き残る道だと思っています」という原田さん。日本磁力選鉱は、コマツとのパートナーシップで、北九州から世界に向けて資源リサイクルの輪を広めようとしている。

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お客様プロフィール

日本磁力選鉱 株式会社

本記事は2016年 Vol.122 「大地」記事を基に掲載させていただきました。
<事業内容>
■選鉱事業
■鉄鋼原料等加工販売事業
■非鉄金属関連リサイクル事業
■環境関連リサイクル事業 ■資源リサイクル機器事業
■プラント事業 ■その他事業
HP:http://www.nmd.co.jp/


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