人を活かすICT施工で、地域の未来を築く

株式会社ミヤケンは、いち早くICT施工に取り組み、地域に根差した企業として発展を遂げ続ける。

人を大切にすることで成長を図る

広島市南区にて1998年に創業した株式会社ミヤケン。宅地造成や道路工事など、地域のインフラ整備を担う幅広い分野で活躍をしている。地域に根差した企業として着実に成長を続けおり、社員数は82名を超える規模へと発展した。「従業員のモチベーションをいかに高めるかが、経営における最重要課題だと考えています。資格取得については全面的にサポートし、費用はすべて会社が負担します。ただ資格取得を支援するだけでなく、一人ひとりのキャリアを見据えて育成する。その人材の力こそが、当社の成長を支える最大の強みになっています」と金子社長は語る。
(写真:株式会社ミヤケン
代表取締役社長
金子佳史 氏)

DXに対する万全の体制を社内に構築

 国土交通省が i-Construction を発表した2016年、ICTが普及する前にいち早く同社は3DマシンコントロールのPC200iをレンタル導入した。本格的にICTへ取り組む契機となったのは、建設DXを推進する株式会社EARTHBRAINとの間でDXパートナープログラム契約を締結したことだ。これを機に、ICTに向き合う社内体制の構築が一気に加速した。最新の情報やノウハウを積極的に取り入れながら、ICTを最大限に活用できる環境を整備。社内に専門部署となる「デジタル推進部」を立ち上げ、ICTおよびDXの社内への浸透を進めた。「デジタル技術に特化した人材を採用し、専門性に長けた社員を育成しています。知識と経験をこの部署に集中させ、当社の強みとして機能させていくことを目指しています」と専務取締役の魚谷浩介氏は語る。
(写真:株式会社ミヤケン
専務取締役
魚谷浩介 氏)

省人化、コスト削減、安全性の向上を実現

 ICTの活用は、オペレーターの負担軽減という点で、その有効性が発揮されている。例えば法面整形の場合、従来の施工では、オペレーターは作業のたびに油圧ショベルを降り、丁張を確認して勾配をチェック。そして修正が必要であれば再び搭乗する作業を何度も繰り返す必要があった。それがICT建機の導入により、3D図面に従って車内で操作するだけで施工が完結するため、オペレーターの負担軽減と作業効率の向上に大きく貢献した。同時に、手元作業員の配置が必要なくなるため省人化を実現。コスト削減や現場の安全性向上を支えている。また、丁張設置の必要がなくなった点も大きい。「昨年、道路改良工事を行ったのですが、工程表作成時には10カ月かかる予定だったところ、9カ月で完成することができました。実質1カ月程度の工期短縮および省人化が実現しました」と魚谷専務は語る。

これに乗ったら、もうほかに乗れない!

 積極的にICTに取り組むなかで、同社は2025年3月にPC200i-12を導入した。オペレーターとしてPC200i-12の操作を担っている土木部 工事課長の木下克美氏は「バケットを下ろす際の操作性がスムーズになりました。旋回速度も速くなりましたし、手元の設定でスピード調整ができるのもいいですね」と、その操作性を高く評価する。
 また、あらかじめ設定した作業範囲から外れそうになると、自動的に作業を制限する安全支援機能「ジオフェンス」にも期待が寄せられている。「以前の現場では電線に触れてしまう事故がありました。ジオフェンス機能があれば、そうした事故を未然に防げると思います」と魚谷専務は語る。
 さらに、快適性についても満足度は高い。「コックピットはとても快適です。まずシートのサスペンションが優れていて乗り心地がいい。エアコンも上部から風がくるので、夏場の作業でも快適。しかもキャビンが広く、ゆったりと作業ができる。長時間でも身体への負担は少ないですね。これに乗ったら、ほかには乗れません!」と、木下課長PC200i-12を評価する。
(写真:株式会社ミヤケン
土木部 工事課長
木下克美 氏)

業務のデジタル化を推進し、効率化を実現

 同社ではSmart Construction®の各種サービスも積極的に活用することで現場管理の高度化と生産性向上を図っている。なかでも土量や出来形を一元管理できるSmart Construction Dashboardは業務の進捗管理に欠かせない。進捗状況を即座に確認できるため、総合的な視野での現場判断を可能にした。
 また、施工計画を3Dで可視化するSmart Construction Design3Dでは、建機を移動させるための仮設道路の設置をシュミレーションできるようになったことで、短期間で仮設道路を構築できるようになった。
 さらに、車両の動きを見える化するSmart Construction Fleetでは、工事に関わるすべてのダンプトラックにスマートフォンを支給し、車番登録して運行管理を行っている。本社から全体の運用状況を把握できるだけでなく、運転手同士もほかの車両の動きを確認できるため、車両が集中する時間帯を避けるなど、効率的で安全な運用が可能となった。

業務を支えるコマツとのパートナーシップ

 コマツと「オイル交換部品の定期購入に関する覚書」を締結しているため、建機の稼働状況を管理するKomtraxの情報を双方で共有し、部品交換の時期が近づくと、自動的にコマツから部品が届く仕組みが整えられ、適切なタイミングでのメンテナンスが可能となっている。加えて、コマツが運営するパーツカタログのオーダーシステムも同社に共有されており、必要な部品をスムーズに発注できる体制が整っている。これまで複数の手続きを要していたパーツオーダーのプロセスが大幅に簡略化された。
 専門部署の設置とコマツとの情報共有を軸に、建機管理とメンテナンスの最適化を実現することで、同社はICT施工を支える万全の基盤づくりを進めている。

挑戦することで成長を目指す

 同社では「歳をとっても働ける会社、働きがいのある会社」をミッションに掲げ、社員が長く安心して働ける環境づくりを進めている。その結果、離職率は低く、従業員が満足感をもって就業できる職場が実現している。「5年後に売上げ50億、最終的にはグループ全体で売上げ100億を目指しています。現状では簡単な数字ではありませんが、その目標に向かって挑戦することに意義があり、挑戦によって企業は成長していくのだと考えています」と金子社長は語る。人を大切にしながら、先進的な取り組みに積極的に臨み、挑戦し続ける。この姿勢が、ミヤケンを新たな地平へと導いている。