現場安全講座 災害事例に学ぶ現場仕事の安全対策

今回のテーマ

退避していた作業者に伐倒木が激突

被災者 : 普通作業員

被災の程度 : 死亡

災害発生状況

工業団地造成にて、油圧ショベルの操縦者がグラップル(つかみ機)で立木を押して伐倒する作業を行っていた。
その際、立木が意図しない方向に倒れ、退避していた作業者に激突した。
被害にあった作業者は立木の伐倒作業には従事していなかった。

原因

● 被災作業者が、労働安全衛生規則で定めた立ち入り禁止エリア内に入っていた。
  ※令和元年8月に改正安衛則第481条第2項「立木の高さの2倍に相当する距離を半径と
する円形の内側に伐倒者以外の労働者が立ち入ることを禁止する」が施行された。
● 指揮命令系統が明確でなく、油圧ショベル操縦者と被災作業者間の連絡調整が不足
  していた。

対策

● 立木の樹高の2倍未満の距離の内側に、伐倒者以外の作業者の立ち入りを禁止すること。
● 立木を伐倒するときには、周辺のすべての作業者に合図し、的確な情報伝達を行って、立ち
  入り禁止エリアから退避したことの確認を徹底すること。