電動式フォークリフトとしては、最先端の機能を搭載したFEシリーズであったが、海外では既にリチウムイオン電池搭載のモデルが普及していたこともあり、コマツとしても更なる進化を目指して開発に着手することとなった。2018年に、より優れたリチウムイオン電池を求めて検証を始め、2019年4月に本格的な研究をスタートした。
試行錯誤の末、急速充電のために、充電器2台から一気にバッテリーに電気を送り込む「2口充電」の方式を発案。
しかし、日本の消防法ではこの大電力の充電は急速充電設備に該当するため、要求事項の「充電ロック」やショートしていないことを検知してから接続するなどの機能を付加。試作と検証を何
度も繰り返し、満を持してFE25G / 30G-2は生み出された。
今回の展示会の来場者も、1時間未満で充電できてしまうこの2口充電のメカニズムに驚いていた。充電時間と稼働時間は業務効率に直結することから、やはり感心が高いようだ。
充電器にも改良がなされた。従来機では、充電モードを選ぶなどの操作パネルがあったが、リチウムイオン電池を積んだ同モデルでは、「急速充電前提」ということもあり、ただケーブルを
差し込むだけで、素早く充電できる仕様になっている。また、大容量の電力を送り出すための太いケーブルは、本体横に収納できるようにした。
多忙な現場において、より負担の少ないオペレーションを目指し、「シンプルにして最大効果」を求めてたどり着いた形がここにある。
(写真 コマツ 開発本部 車両第四開発センター フォークリフト開発グループ シニアエキスパートエンジニア 小澤一顕)
バッテリー容量約35%Up
※FE 25G -2と従来2.5t鉛バッテリー製品のバッテリー容量を比較した場合
リチウムイオンバッテリーは、約5,000サイクル※
一般的な鉛バッテリーの約3倍以上の長寿命
※放電・充電を1サイクルとした場合の社内試験結果による