Daichi Report

最先端のその上をー 更なる長時間稼働と 充電時間短縮へ!

エンジン式フォークリフトが主流であったフォークリフトの領域で課題となっていたCO2の削減をはじめ、ESG経営に貢献する環境性能の高い電動式フォークリフトとして登場したFEシリーズ。
しかし、コマツはこれにとどまらず、より負荷の大きい重アタッチメント仕様への適応や、更なる長時間稼働の現場ニーズに応えるべく、リチウムイオン電池搭載のモデルを誕生させた。
2022年9月13~16日に開催された「国際物流総合展2022」のコマツブースは、進化を遂げたFEシリーズ、FE25G /30G-2を生で見ようと多くの来場者で賑わっていた。

単なる「リチウムイオン電池搭載」を 上回るには

 電動式フォークリフトとしては、最先端の機能を搭載したFEシリーズであったが、海外では既にリチウムイオン電池搭載のモデルが普及していたこともあり、コマツとしても更なる進化を目指して開発に着手することとなった。2018年に、より優れたリチウムイオン電池を求めて検証を始め、2019年4月に本格的な研究をスタートした。
試行錯誤の末、急速充電のために、充電器2台から一気にバッテリーに電気を送り込む「2口充電」の方式を発案。
しかし、日本の消防法ではこの大電力の充電は急速充電設備に該当するため、要求事項の「充電ロック」やショートしていないことを検知してから接続するなどの機能を付加。試作と検証を何
度も繰り返し、満を持してFE25G / 30G-2は生み出された。
今回の展示会の来場者も、1時間未満で充電できてしまうこの2口充電のメカニズムに驚いていた。充電時間と稼働時間は業務効率に直結することから、やはり感心が高いようだ。

FEシリーズのデモンストレーションには多くの来場者が集まっていた
更なる急速充電を実現した、2口あるFE30G-2の充電口

電動化に特化した専門チームとの​コラボレーション​

また、今回の開発を高品質かつ、迅速に行えた背景には、コマツが2020年に開設した「電動化開発センター」のメンバーとのコラボレーションが大きかった。油圧ショベルなど、建機の開発を先行していた同センターには、こうした電動化のノウハウが蓄積しており、フォークリフトの開発にも存分に活かすことができた。かつては「エンジンが強いコマツ」ともいわれたが、今後はこの電動の領域でも強みを打ち出す機会が増えていくだろう。

ただ差し込むだけのシンプルな充電器

  充電器にも改良がなされた。従来機では、充電モードを選ぶなどの操作パネルがあったが、リチウムイオン電池を積んだ同モデルでは、「急速充電前提」ということもあり、ただケーブルを
差し込むだけで、素早く充電できる仕様になっている。また、大容量の電力を送り出すための太いケーブルは、本体横に収納できるようにした。
多忙な現場において、より負担の少ないオペレーションを目指し、「シンプルにして最大効果」を求めてたどり着いた形がここにある。

(写真 コマツ 開発本部 車両第四開発センター フォークリフト開発グループ シニアエキスパートエンジニア 小澤一顕)

FE25G / 30G-2  4つの進化

1.長時間稼働

バッテリー容量約35%Up

※FE 25G -2と従来2.5t鉛バッテリー製品のバッテリー容量を比較した場合

2.バッテリー長寿命

リチウムイオンバッテリーは、約5,000サイクル※

一般的な鉛バッテリーの約3倍以上の長寿命

※放電・充電を1サイクルとした場合の社内試験結果による

3.充電時間短縮

4.継ぎ足し充電


大容量リチウムイオンバッテリー搭載 FE25G/30G-2

FEシリーズ最高の走行性能と安全性