現場安全講座 災害事例に学ぶ現場仕事の安全対策

今回のテーマ

解体重機の旋回時、つかんでいた廃材が作業員に激突

被災者:とび工(22歳) 
被災の程度:休業4日未満

災害発生状況

朝礼後、被災者は作業で使う手袋を車まで取りに行き、現場に戻る際に解体重機作業エリアを通り抜けようとした。重機の近くを通りかかったとき、廃材のパイプをつかんだ重機が突然旋回し、廃材が被災者に接触した。そのはずみで被災者は転倒し、突き出ていた鉄板に左脇腹を強打した。

原因

  • 被災者は重機が旋回するとは思わず、重機の旋回範囲に入った。
  • 重機の運転者は、被災者が見えなかったため、旋回範囲内に人がいると思わず、重機を旋回させた。
  • 重機の作業半径内に立ち入りを禁止する区画も表示もなく、立ち入り禁止の周知もされていなかった。

対策

  • バリケード等により重機の解体作業範囲を明示し、立ち入り禁止表示を行い、周知する。
  • やむを得ず解体作業範囲に立ち入る場合は、グーパー運動(※)等により重機運転者に知らせてから立ち入るよう、関係者全員に周知徹底する。

※立ち入る者はパーで合図し、運転者はグーで確認の合図をする安全確認運動

(監修) 建設業労働災害防止協会
安全・衛生管理士 本山謙治