Daichi Report

SDGsの達成に貢献する特別仕様車が誕生

SDGsの達成に貢献する特別仕様車が誕生

HM300-5 散水車完成記念式典

 東京石灰工業株式会社菊池社長の環境に対する強い思いに応える形でコマツは特別仕様の散水車の開発に取りかかりました。そして、SDGsの達成と自然との共生に貢献する、地域社会に選ばれるこれからの時代に相応しい性能を持った散水車が誕生。現場の粉塵の拡散を防ぎ、環境や地域社会への負荷を軽減し従業員の安全な業務をサポートします。

 2022年1月20日に開催された完成記念式典の模様とともに発注者である菊池社長の思いとプロジェクトに携わったメンバーの開発への思いを紹介します。

 
 
生産本部茨城工場 櫻井工場長から菊池社長へ、 記念品となるHM300-5散水車のミニチュアを進呈
生産本部茨城工場 櫻井工場長から菊池社長へ、記念品となるHM300-5散水車のミニチュアを進呈
 
コマツ栃木 齊藤社長から菊池社長へ、 巨大レプリカキーを進呈
コマツ栃木 齊藤社長から菊池社長へ、巨大レプリカキーを進呈
 

 2022年1月20日(木)に、コマツ茨城工場定置試験場にてHM300-5散水車完成記念式典が開催されました。当日は、特別仕様の散水車開発のきっかけとなった、関東と東北に6つの事業所を持ち、砕石事業を展開している東京石灰工業株式会社の代表取締役社長の菊池宏行氏と、菊池社長の思いを形にするべく全力で取り組んだコマツ生産本部茨城工場長櫻井直之、コマツ栃木社長齊藤茂があいさつを行い、テープカット、記念品贈呈が行われました。「環境に対する思い」が可能にしたコラボレーションにより誕生したHM300-5散水車。今後、自然との共生に貢献しながら、現場で活躍していきます。

 

自然から得たものを社会に資するために自然との共生を目指す

東京石灰工業株式会社 代表取締役社長 菊池宏行 氏

「これまで、当社の6事業所で使用していた散水仕様のリジッド式ダンプトラックは、およそ20年前にコマツに特注したものです。社内的な規定が定める一定期間を経過することになるため、新たな製品開発をコマツ栃木、および茨城工場に依頼しました。

 当社は、以前から環境対応について高い関心を持っています。鉱山や採石場は自然破壊をして操業しているというイメージを持っている方もいますが、そこで生産したものが社会インフラをつくり出し、地域社会や市民・国民の生活の利便性や快適さを生み出すのです。私たちは、自然から得たものを社会に資するまでのプロセスを担っており、そのためには、自然との共生を考えなくてはなりません。

 当社では、採掘面積以上の緑地や森林を持つことで自然環境や社会環境への負荷を限りなく少なくする努力を行っています。そして、事業所全体を再生可能エネルギーで操業することを目指しています。これは、社会や地域に選ばれ続ける企業として、永続的にチャレンジするべきことだと考えています。

 コマツはSDGsに積極的に取り組み、製品としても環境性能に優れています。コマツをパートナーとすることは、自然との共生を実現することにつながります。そういった意味でも、今回のHM300-5散水車にはとても満足しています。今後、散水業務が無人化・自動化で行えるような新たなイノベーションに期待しています。」

東京石灰工業株式会社 代表取締役社長 菊池宏行 氏 

 
  • HM300-5
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  • HM300-5
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東京石灰工業の6事業所の稼働現場と使用車両を調査した結果、HM300ベースでの開発が決定しました

東京石灰工業の6事業所の稼働現場と使用車両を調査した結果、HM300ベースでの開発が決定しました

  • スプレー散水

    スプレー散水

    スプレー散水は走行路の散水を行うときに使用します。散水ノズルは6個(後方:4個、左右各1個)設置しており、最大散水量は1,500L/minとなっています。それぞれのノズルの開閉が可能で、走路状況に応じて散水量を調整することができます。

     
  • マニュアル重力スプレー

    マニュアル重力スプレー

    ポンプが故障したときでも走行路の散水が可能な重力落下式の散水装置です。最大散水量は240L/minとなっています。
  • 放水銃

    放水銃

    放水銃は車両が入れない場所への散水に使用します。遠方に散水可能なJETモードと広範囲に散水可能なFOGモードに切り替えができます。最大散水量は1,500L/minで、JETモードの最大飛距離は50mとなっています。
  • 洗車ガン

    洗車ガン

    水道がない場所でも重機・プラントの清掃を可能にした高圧洗車ガンです。ハンドルで高圧洗浄のJET噴射と広範囲洗浄のFOG噴射に切り替え可能です。
水が残らないタンク構造

水が残らないタンク構造

タンク構造については、コマツとパートナーシップ関係にある前田製作所と何度も打合せを行い坂道でも水が残らないタンクを設計しました。今回設計したタンクは登坂・降坂・バンクでの走行でも取水口に水が集まる構造となっており、登坂が多い採石場に適したタンク構造となっています。タンク底面をすり鉢状に設計した結果、坂道でも残水量5%以下まで使用可能となっています。また、タンク内は12部屋に区切られており急発進・急停車時でもタンク内の水の重心が変化しないようなつくりになっています。タンクは、スチール仕様とステンレス仕様の2種類あり用途に合わせて選択可能です。

 

本特別仕様車は特注品となります。詳細につきましては最寄りの販売店・営業担当までお問い合わせください。

「環境配慮」を表現する

生産本部茨城工場長 櫻井直之

「菊池社長から依頼を受けて、改めて菊池社長の環境配慮に対する強い思いを感じるとともに、散水車がお客さまにとって地域社会の環境を守る大切な商品であることを再認識しました。その上で、ご期待に応えるべく、当社としては総力戦で臨みました。まず、東京石灰工業の6事業所の走路調査を徹底的に行い、あらゆる可能性を考慮した結果、もっともふさわしい機種としてHM300-5を選択しました。

 製造現場同様、採石現場は安全・稼働管理が重要なので、共通の課題である安全強化、IoTを活用した機械・現場の見える化、省人化/自動化を進め、自然環境への配慮を十分に行い、採石業界の発展に貢献したいと思っております。」

生産本部茨城工場長 櫻井直之

 

住みやすい環境のご提供のために

コマツ栃木 代表取締役社長 齊藤茂

「このたび完成したHM300-5を目の当りにし、当社がお客さまとコマツとをつなぐ架け橋になれたことは感無量です。今後、当社としてはコマツと連携してアフターサービスを万全に行うことで、お客さまの事業発展と収益の確保をお手伝いできればと考えています。栃木県は砕石出荷量において全国一位の県であり、特に葛生地区は東京石灰工業様をはじめとし全国有数のお客さまが事業展開をされています。当社もとちぎSDGs推進企業として登録しておりますが、最新鋭の機械のご提供とその機能を高次元で維持できるよう努めることで、地域の皆さまにとっても住みやすい環境をご提供できればと願っています。」

コマツ栃木 代表取締役社長 齊藤茂

 

タンク形状の開発に苦労しました

茨城工場 管理部 企画課 主務 島原直彦

「開発でもっとも苦労したのは、水が残らないタンク形状です。登坂降坂路の多い採石場では、タンクに水が残っているにもかかわらず散水ができなくなることがあります。それを防ぐためのタンク形状をどうするべきか、何度も検討しました。その結果、登坂降坂路でも残水量が5%まで使用できるタンク構造を実現しました。車両開発する上で稼働現場を調査し理解することが、重要であることに改めて気づかされました。」

茨城工場 管理部 企画課 主務 島原直彦

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