現在の定率法の減価償却の計算方法

掲載日:2025年10月24日

【セミナでのご質問】

私はフォークリフトの営業をしています。
最近、減価償却の計算方法が、学生時代に学んだ内容と少し違うように感じます。
具体的に、フォークリフトを例にして「定率法による減価償却」の計算方法を教えてください。

【キド先生からの回答】

減価償却のルールは平成24年から改正されています。
以前は「償却可能限度額=取得価額の95%」という上限がありましたが、現在は「取得価額−1円」まで償却可能となり、いわゆる「残存価額(5%)」の考え方は廃止されています。
この「1円」は、帳簿上の備忘価額として残すものです。


■定率法の計算方法(平成24年以降に取得した資産)

法定耐用年数に応じて、次の償却率を使用します(抜粋)。

耐用年数 平成24年4月1日以後取得
償却率 改定償却率 保証率
4 0.500 1.000 0.12499


■計算のルール

  • (第1段階)定率法による計算:
    未償却残高 × 償却率
  • (第2段階)保証率による確認:
    上記で求めた償却費が「保証額(取得価額 × 保証率)」を下回った場合、「改定取得価額 × 改定償却率」で計算する。
  • (第3段階)保証額適用後:
    保証率を下回った年以降は、毎年同じ金額を償却する。


■計算例

フォークリフト(耐用年数4年、取得価額1,000万円、期首購入)の場合

減価償却の計算 当期の償却費 期末簿価
1年目 1,000万円 × 0.500 500万円 500万円
2年目 500万円 × 0.500 250万円 250万円
3年目 250万円 × 0.500 125万円 125万円
4年目 125万円 × 0.500 = 62.5万円
ただし保証率による償却額=1,000万円 × 0.12499 = 124.99万円
→ 改定償却率(1.000)を適用
125万円 1円(備忘価額)
【キド先生のコメント】

現在の制度では、法定耐用年数を経過すると簿価は1円(備忘価額)になります。
したがって、平成24年以降に取得した資産は、最終的に1円まで減価償却することができます。