適用税制と資本金で異なる税額控除の取り扱い

掲載日:2025年8月6日

【セミナでのご質問】

私は資本金3,000万円の会社の経営者です。
当社の経理担当から、「金融機関との関係上、当期の利益が少なすぎるのは望ましくない」と言われました。
そこで、今年度購入予定の機械については、「即時償却」ではなく、「税額控除制度」を使いたいと考えています。
顧問税理士に相談したところ、「税額控除の割合は、会社の資本金や利用する税制の種類によって異なる」とのことでした。
当期は、購入する機械について「経営力向上計画」の認定を受けていません。この場合、どのような優遇税制が受けられるのでしょうか?

【キド先生からの回答】

ご質問のとおり、「税額控除制度」には複数の種類があり、資本金や税制の種類によって控除の割合が異なります。
以下の表にまとめました。

資本金区分 中小企業経営強化税制 中小企業投資促進税制
3,000万円以下 控除率 10% 控除率 7%
3,000万円超〜1億円以下 控除率 7% 対象外
1億円超 対象外 対象外

御社の場合は「経営力向上計画」の認定を受けていないため、中小企業経営強化税制は使えません。
そのため、中小企業投資促進税制の適用となります。
また、資本金が3,000万円ですので、この制度により、購入する機械の取得価額の7%が法人税から控除できます。

【キド先生のコメント】
控除できる税額は、「その期の法人税額の20%」が上限です。
この上限を超えた控除額は、「翌期に1年間だけ繰り越して使う」ことが可能です。
なお、この優遇税制を受けるには、他にもいくつかの要件や手続きがあります。必ず顧問税理士の先生と相談しながら進めてください。