即時償却制度と税額控除制度の使い分けの税務上の取り扱い

掲載日:2025年7月9日

【セミナでのご質問】

私は建設工事業を営む中小企業の経営者です。
当期は、建設機械を2台購入する予定です。これまでは、中小企業経営強化税制を活用して、購入した機械について即時償却を使っておりました。ただ、今回は2台とも即時償却をしてしまうと、会社の利益が大きく減ってしまいそうです。
当社は公共工事が中心のため、経営事項審査(経審)で評価を受ける必要があり、利益がある程度出ていないと不利になってしまいます。
そこで、今年は2台のうち1台だけを即時償却にして、もう1台は税額控除にしようと思っています。
しかし、社内の経理担当からは、「今までずっと即時償却を使ってきたのに、今回税額控除を使うのは、会計処理のルールに反するのでは?」と言われて、不安になりました。 このように使い分けても問題ないのでしょうか?

【キド先生からの回答】

ご安心ください。まったく問題ありません。
中小企業経営強化税制では、機械1台ごとに、「即時償却」か「税額控除」か、を自由に選択することができます。
たとえば、同じ年度に購入した機械であっても、X機械には即時償却、Y機械には税額控除を選ぶといったことが可能です。
このような使い分けは、法律(租税特別措置法)で認められている正式な取り扱いですので、会計処理の継続性(前と同じやり方を続けるルール)に反することもありません。