予備部品としてバケットを購入した場合の取り扱い

掲載日:2025年5月23日

【セミナでのご質問】

私は中小企業の経営者です。
このたび、決算対策の一環として、油圧ショベルに装着するバケットの購入を検討しております。
総額は2つで約800万円になる見込みですが、顧問税理士に相談したところ、「バケットは貯蔵品に該当し、減価償却はできない」との見解でした。しかし、以前バケット付きで購入した機械については、中小企業経営強化税制の即時償却を適用できたと記憶しており、今回の判断には納得できません。
顧問税理士の見解は正しいのでしょうか?

【キド先生からの回答】

顧問税理士の見解は、正しいと思います。
バケットのようなアタッチメントは、通常「予備部品」として扱われるため、それ単体では減価償却資産として計上することはできません。ただし、バケットを機械本体と一体化して購入し、事業で使用する場合には、機械装置に含めて減価償却が認められています。


機械名 購入方法 取扱い
バケット 機械本体と一体化して購入し、実際に事業で使用する場合 機械装置の一部として一体的に減価償却の対象になります。
予備部品として購入し、事業で未使用のまま保管する場合 「貯蔵品」として扱われ、減価償却の対象とはなりません。

ご相談のケースのように、バケットを事業で使用することなく予備として保管しているだけでは、経費処理や減価償却はできず、結果として決算対策にはなりません。

【キド先生のコメント】
なお、同じようなアタッチメントであっても、たとえば「破砕機」のように、それ自体で機械装置としての機能を持つものであれば、原則として減価償却の対象になります。
ただし、このような機械装置であっても、未使用のまま保管されている場合には、事業の用に供されていないため、減価償却を行うことはできません。