期中に取得した機械の減価償却費の計算方法

掲載日:2025年5月14日

【セミナでのご質問】

私は会社の経理業務を担当しております。
当社は3月決算の総合工事業で、減価償却の方法は定率法を採用しております。
令和7年8月に、取得価額3,000万円の建設機械を購入し、事業で使用を開始した場合、この機械の当期における減価償却費はいくらまで計上することができるのでしょうか。

【キド先生からの回答】

期中に取得した機械の減価償却費は、次のルールに基づいて計算されます。

  1. 年額の減価償却費を算出し、取得・使用した日から事業年度末までの期間について月割で按分計算します。
  2. 1か月に満たない期間であっても、1か月として計算します。
  3. 月割按分した償却費の端数(円未満)は切り捨てで処理します。

ご質問の建設機械に関する減価償却費は、次のとおり算出されます。

① 取得価額3,000万円 × 償却率0.333(定率法)= 年間償却額999万円
② 取得し事業使用時期が8月ですので、3月決算の場合、当期の使用月数は8か月となります。
③ 年間償却額999万円 ×(8か月 ÷ 12か月)= 当期の償却限度額666万円

したがって、当期における減価償却費の上限は666万円となります。法人の場合、この償却限度額の範囲内で任意の金額を償却費として計上することが可能ですが、節税効果を考慮すると、上限額である666万円を計上するのが一般的です。

【キド先生のコメント】
機械の取得後、事業で稼働を開始した日がたとえ1日であっても、その月は1カ月分として計算されます。
たとえば、3月31日に取得して事業で使用を開始した場合、3月分は1カ月として計算されることになります。
詳しくは顧問税理士にご確認ください。