期限が目前に迫る事業承継税制の活用判断のポイント

掲載日:2025年3月27日

【セミナでのご質問】

私は中小企業の経営者です。
事業承継税制(特例措置)の適用が令和9年12月31日までと聞きました。
私はこの特例措置を活用するかどうか、迷っております。適用するかどうかの判断の目安を教えてください。

【キド先生からの回答】

事業承継税制は、いわば強い効き目なのですが、副作用もあります。
次の表に、事業承継税制(特例措置)を活用するかどうかの目安をまとめましたので、後継者や利害関係者の方とよく相談して判断してください。

適用がGOODな場合 適用がBADな場合
① 自社株式の相続税評価額が多額で、相続税負担が重い場合
➡(目安)自社株式の相続税評価額が1億円を超える場合

② 後継者の年齢が18歳以上で、事業承継に対して強い熱意がある場合

③ 後継者の兄弟姉妹が事業承継に理解と支持があり、民法の遺留分の請求のおそれがない場合

④ 経営者から後継者への代表権の移譲や、自社株式の贈与に問題がない場合
① 自社株式の相続税評価額が低く、将来の相続税見込み額がそれほど多くない場合

② すでに後継者に自社株式を贈与しており、事業承継対策が行われている場合

③ 後継者の事業承継に対する熱意が感じられない場合

④ 後継者と兄弟姉妹の仲が悪く、将来、民法の遺留分の請求のリスクがある場合
【キド先生のコメント】
その他、自社株式以外の事業用資産についての後継者への移転も検討しておく必要があります。
事業承継税制(特例措置)を活用する、しないにかかわらず、
なるべく今後10年間の事業承継計画を作成して、計画的な事業承継対策を行ってください。詳しくは、顧問税理士にご相談ください。