事業承継税制の特例措置の主な手続事項

掲載日:2025年1月24日

【セミナでのご質問】

私は、中小企業の経営者です。
今年中に事業承継税制の特例措置を活用して、息子に社長の座を譲ろうと考えています。
このことを顧問税理士に相談したところ、簡単には活用できないと言われてしまいました。
事業承継税制の特例措置を活用するために今後行うべき事項又は手続があれば教えてください。

【キド先生からの回答】

事業承継税制の特例措置を活用するために必要な事項又は手続は、おおよそ次のような点です。

  1. まず令和8年3月31日までに、ご自身の所属する都道府県知事に対して、事業承継の骨組みを示した「特例承継計画」を提出して「確認」を受ける必要があります。
  2. 令和9年12月31日までに、あなたは後継者に対して、贈与又は相続を行う必要があります。
  3. 自社株式等の贈与時までに、後継者は役員になる必要があります。
  4. 自社株式等の贈与時までに、あなたは代表取締役を辞任して、後継者が代表取締役に就任する必要があります。
  5. 贈与した直後に都道府県知事に対して「認定」の申請を行い、「認定書」をもらう必要があります。
  6. 贈与税の申告時に「認定書」のコピーを添付し所轄税務署に提出することで、自社株式の納税猶予が行えます。
納税猶予前の必要な事項又は手続はおおよそ以上ですが、それ以外に細かい要件がいくつもありますので、かなり事務処理を要すると思います。
この点が、顧問税理士の先生が言われた「すぐにはできない」ということだと思います。
【キド先生のコメント】
納税猶予から5年間は毎年一定の時期に、都道府県知事には「報告書」、所轄税務署には「届出書」を提出する義務があります。また5年後からは3年ごとに、所轄税務署に「免除又は猶予取消し」になるまで「届出書」を提出し続ける必要があります。
以上が原則的な手続きになりますが、詳しいことは顧問税理士等とよく相談しながら進めてください。