口座振込の家賃支払のインボイス適用

掲載日:2024年2月8日

【セミナでのお客様からのご質問】

私は建設業の経理担当者です。
当社は事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払っています。不動産賃貸契約書は作成していますが、請求書や領収書の交付は受けておらず、家賃の支払の記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけです。
このような場合、インボイス制度ではどうすればよいですか?

【城所講師からの回答】

通常、仕入税額控除を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要ですが、ご質問の場合、次のような方法も認められます。
  1. 適格請求書は、一定期間の取引をまとめて交付することもできますので、相手方(貸主)から一定期間の賃借料についての適格請求書の交付を受けること。
  2. 適格請求書として必要な記載事項は一の書類だけで全てが記載されている必要はなく複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たすことになりますので、契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存しておくこと。

ご質問の場合には、適格請求書の記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された契約書とともに通帳(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
【城所先生のコメント】
口座振込により家賃を支払う場合も、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があるものとして、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
詳しくは、顧問税理士にご確認ください。