電子取引に関する「印紙税」の税務上の取り扱い

掲載日:2023年12月27日

【セミナでのお客様からのご質問】

私はコマツの社員です。
コマツの経営トップセミナで、令和6年1月より本格化する電子帳簿保存法について、城所先生から「悪いことばかりでなく、印紙税を節約するチャンスにもなる」という説明がありました。営業の私には、いまひとつ先生の話が分からないのですが、もう少しわかりやすくご説明ください。

【城所講師からの回答】

そもそも「印紙税」は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)などに課税される税金です。国税庁の「印紙税額一覧表」に掲げられている20種類の文書が課税の対象となります。
課税される文書に係る納付すべき印紙税の額は、「印紙税額一覧表」に記載のとおり、その内容にかかわらず定額であるものや、契約書の内容や契約金額、受取金額などによって異なるものもあります。
つまり、課税される対象は、「印紙税額一覧表」に記載された課税文書で、これは「紙媒体」を前提として課税されると解釈されます。
例えば、20億円の金銭消費貸借契約書ですと、契約書1枚につき40万円課税されます。もし当事者同士が1通ずつもつ場合には80万円課税されます。
しかしながら電子契約での契約であれば、現在では課税されないと考えられます。
【城所先生のコメント】
グループ会社間の取引など、電子契約などの電子取引による取引形態がどんどん進めていけば、場合によっては印紙税の節約が図られるのではないでしょうか。
(注)今後、印紙税の改正で、電子取引データについて課税となる場合もありますので、改正の動向を注視してください。