定款に株式譲渡制限条項がある場合の必要書類

掲載日:2023年11月28日

【セミナでのお客様からのご質問】

私は中小企業の経営者です。
この度、後継者の息子に、毎年自社の株式を贈与したいと考えております。
当社は定款において、株式の譲渡制限条項がついておりますが、後継者に株式を贈与する場合の具体的な手続きを教えてください。

【城所講師からの回答】

定款に株式譲渡制限条項がある場合、株式の贈与においてもこの譲渡制限に抵触します。
したがって、次のような手続きを取るようにしてください。
  1. 贈与者(社長)が会社に対して株式譲渡承認請求書を提出します。
  2. 会社の取締役会で株式贈与の承認手続きを行います。
    (注)会社の取締役会での承認手続の議事録が必要になります。
  3. 会社から贈与者(社長)へ株式譲渡承認通知書を送ります。
  4. 贈与者(社長)と後継者との間で、株式贈与契約書を締結します。
  5. 後継者は株式名義書換請求書を会社へ提出します。
    (注)後継者から会社へ株式名義請求手続きを要求します。
  6. 株主名簿を更新し、➀~➄の書類を株主名簿に添付します。
【城所先生のコメント】
相続・事業承継においては、必ず会社の定款を確認することをお勧めいたします。
また、定款が現状にそぐわない場合は、速やかに改訂手続きを行ってください。定款の改訂は株主総会において、特別決議が必要となりますので、ご留意ください。
詳しくは顧問税理士とよくご相談ください。