減価償却計算の改正について

【セミナでのお客様からのご質問】

私は建設業の経理担当者です。
当社の減価償却の計算では、取得価額の95%までを償却して、5%を帳簿価額として残しています。
今までは、経理の先輩からこのように教わり、減価償却の計算を行ってきました。ところが、顧問税理士より、『現在は、残存価額がなくなり、備忘価額1円まで償却できるのではないか』と指摘されました。
現在の減価償却計算の方法は、間違っているのでしょうか?また、間違っているとすれば、どのように訂正すれば良いのでしょうか?

【城所講師からの回答】

結論から言えば、顧問税理士の先生の指導が正しいと思います。
当期以後については、備忘価額1円になるまで、減価償却をしていただければ結構です。そうすれば税務署からお咎めを受けることもありません。
平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産について、次のように改正されています。

● 償却可能限度額(取得価額の95%相当額)と残存価額という概念が廃止されました。
● 現在では、耐用年数経過時点で、備忘価額1円までが償却可能です。
【城所先生のコメント】
御社の場合、「法人」組織ですので、減価償却の計上は任意です。したがって、今まで5%を残して償却したとしても、その償却不足について特に税務署から咎められることはありません。
今後は、帳簿価額5%部分については、備忘価額1円になるまで減価償却していけばよいのです。詳しくは顧問税理士のご指導に従ってください。