定率法の減価償却の計算

【セミナでのお客様からのご質問】

私はコマツの営業社員です。
上司より「定率法の減価償却計算の場合、未償却残高に定率を乗じて計算するので耐用年数を経過しても残高が残るのではないか」と言われました。経営戦略ガイドブックの記載に間違いないのですか?

【城所講師からの回答】

経営戦略ガイドブックの記載は間違っておりません。平成24年以降に取得した減価償却資産に定率法を適用する場合、下の耐用年数表では次のように規定されております。

■減価償却資産の償却率、改訂償却率及び保証率の表(抜粋)

耐用

年数

平成2441日以後取得

償却率

改定償却率

保証率

2

.000

3

0.667

.000

0.11089

4

0.500

.000

0.12499

5

0.400

0.500

0.10800

6

0.333

0.334

0.09911

(注)定率法の減価償却費は「未償却残高×定率法の償却率」ですが、その金額が

償却保証額(取得価額×保証率)に満たなくなった年分以後は、「改定取得価額× 改定償却率」で計算します。

(例)フォークリフトを期首取得して定率法で償却した場合(法定耐用年数4年)

【1年目】減価償却費⇒100万円×0.500×12/12=50万円

                  未償却残高⇒100万円-50万円=50万円

【2年目】減価償却費⇒50万円×0.500=25万円

                  未償却残高⇒50万円-25万円=25万円

【3年目】減価償却費⇒25万円×0.500=12.5万円

                  未償却残高⇒25万円-12.5万円=12.5万円

【4年目】:12.5万円×0.500=6.125万円<100万円×保証率0.12499

なので、4年目の減価償却費⇒12.5万円×1(改定償却率)=12.5万円となります。未償却残高は備忘価額の1円を残して計上します。

【城所先生のコメント】

なおこの例のフォークリフトの帳簿価額は、フォークリフトが存在する限り、備忘価額の1円を帳簿に計上しておく必要があります。