即時償却(特別償却)の不足額の繰越制度

【セミナでのお客様からのご質問】

私はコマツの営業社員です。
「即時償却は2期にまたいで償却できる。」と認識しているのですが、お客様の担当税理士ができないと言っているようです。お客様から「本当にできるのか?」との問い合わせがありました。
この件に関して、至急回答いただきたく、質問させて戴きました。

【城所講師からの回答】

■記入すべき主な内容は次の項目です。

  1. 特別償却不足額の繰越制度の趣旨
  2. 減価償却資産の普通償却は償却不足額の繰越しが認められませんが、特別償却(即時償却も含みます)については、特別の政策目的をもって償却額を増加させる趣旨から、償却不足額の1年間の繰越しが認められています。
    正確にいいますと、「事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度」において発生した特別償却の不足額を繰り越せるルールですので、一事業年度が一年間なら、翌事業年度まで繰り越せることになります。(租税特別措置法第52条の2第2項)

  3. 特別償却不足額を繰り越す方法
  4. 「特別償却不足額」として翌年に繰り越せる金額は、「特別償却限度額」に対して不足している額になります。特別償却の不足額が生じた事業年度から不足額を繰り越す事業年度まで連続して青色申告をしていることが必要です。
    また、特別償却をするときは、その税制専用の付表を添付する必要があります。付表は次のURLから入手できます。
    (参考)国税庁HP「特別償却制度(適用法令)別の添付すべき付表」
    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/060831/03.htm

 

【城所先生のコメント】
詳しくは、国税庁のタックスアンサーNo.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)をご覧ください。
なお、租税特別措置法では、即時償却を「特別償却の一部」と考えております。