機械装置の下取り価額について

【セミナでのお客様からのご質問】

私はコマツの営業社員です。
ユーザが機械を購入し、即時償却を使うと、設備更新の時期に下取り価額が高いというケースが多くあります。なぜなのでしょうか?
 

【城所講師からの回答】

  • ユーザがコマツの機械を購入し、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた場合、一定の要件のもとに、即時償却ができます。
  • 即時償却後の機械の帳簿価額は、備忘価額1円のみとなります。つまり、即時償却を行うと本来の機械の時価と乖離し、帳簿上は1円の機械として計上されるわけです。
  • ユーザの機械更新時、下取り価額は、機械装置の損耗の程度により、時価で下取りされるわけですが、会社が帳簿価額1円しか計上していないため、下取り価額がほとんど「下取り益」(ユーザの損益計算書における特別利益)になるわけです。
  • 下取り価額が高いのではなく、ユーザの帳簿価額が即時償却を行ったために、備忘価額の1円になっているのが原因という訳です。
【城所先生のコメント】

ユーザ及びユーザの税理士から、下取り価額を減らして設備更新時の新車値引きにして欲しいとの要求があっても、これは明らかに租税回避行為に該当しますので、税務当局から咎められるリスクがあります。十分にご注意ください。