相続税における配偶者の税額軽減について

【セミナでのお客様からのご質問】

私は中小企業の経営者です。
そろそろ私も「相続」のことを考えなければならない年齢になりました。
最近友人から、妻には相続税の非課税枠があると聞きましたが、本当でしょうか?また、具体的にはどのようなものでしょうか?

【城所講師からの回答】

はい、本当です。
相続税額の算定においては、「配偶者の税額軽減」という優遇税制があります。
具体的には、配偶者が相続する相続財産のうち、次のいずれかに相当する金額については、相続税がかからないという特例です。
1. 妻の相続財産が1億6千万円以下の場合 2. 妻の相続財産が法定相続分の場合 「法定相続分の割合」は民法第900条に規定されており、具体的には次のようになっています。

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。

つまり、亡くなった時点の相続人の状況により、一~三の場合があり、妻の法定相続分に相当する金額には、相続税がかかりません。
【城所先生のコメント】

妻(配偶者)の相続税がかからない非課税枠は、上記の1ないし2のいずれか多い金額を選べます。詳しくは、顧問税理士にご相談ください。