減価償却資産の事業の用に供した日とは

【セミナでのお客様からのご質問】

私は中小企業の経理担当者です。
中小企業経営強化税制では、「期末までに事業の用に供すること」が要件の一つになっておりますが、どうも根拠がよく分かりません。コマツから納車されただけではいけないのですか?

【城所講師からの回答】

法人税法施行令第13条(減価償却資産の範囲)に、「法人税法第2条第23号(定義)に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。〜以下省略~三 機械及び装置~以下省略~」と規定しています。

■事業の用に供した日

資産を事業の用に供したか否かは、業種・業態・その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案して判断することになっております。

国税庁では、『事業の用に供した日』とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいます。

例えば、機械等を購入した場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となると判断しております。

【最後に一言】
納車するだけでなく、あくまで事業の用に供した時から減価償却の計算対象となります。コマツから機械を購入された場合は、機械置場へ置いたままにしないで、なるべく早く現場で使用する事をお勧めいたします。
なお詳しいことは、顧問税理士にご相談ください。