公共工事におけるICT活用工事の増加に伴い、ICT施工にも積極的に取り組んできた。現在砂防工事を行っている現場では、ブレードの自動制御が可能なマシンコントロール機能搭載のブルドーザーD61PXiとオペレーターへの情報提供が可能なマシンガイダンス機能搭載(Smart Construction 3D Machine Guidance)の油圧ショベルPC200が盛土および法面整形を実施。業務の効率化に大きく貢献している。
「幅が約200mある現場に丁張を設置しようとすると、2~3日はかかるでしょう。しかし、ICT施工は丁張設置の必要はありません。3Dの図面をICT建機に読み込ませるだけで準備完了です。作業時間は大きく削減されました」と、オペレーターの武田剛氏は話す。さらに「ICT建機であれば、乗ったままタブレットの画面を確認し、操作することで図面どおりに仕上げることができます。効率が向上するだけでなく、体力的にもだいぶ楽になりました。また、作業する建機の周りに手元作業員がいないので、安全性も大きく向上しました」と、ICT施工導入のメリットを解説する。
株式会社今井工務店 オペレーター
武田剛 氏
リモコンの遠隔操作で無人化施工を行うオペレーターの木島好樹 氏
ICT建機であれば経験の浅いオペレーターでも経験豊富なオペレーター同様の高品質な業務が可能となる。D61PXiを操縦し盛土工事を行っているのは、キャリア3年のオペレーター竹田弘美氏だ。「免許を取得して、まったく別の業界から当社に転職してきました。それまではブルドーザーだけでなく建機の操縦などをしたことがありませんでした。初めて乗った建機がD61PXiで、マシンコントロールが搭載されているため図面どおりの正確な作業が行えます。まったくの初心者でしたがすぐに慣れ、精度の高い業務をこなすことができました」と竹田氏は語る。
ICT施工するうえで図面の3D化は欠かせない。専門知識やスキルが必要なため外部のパートナーに外注する企業も多いが、同社では内製化している。「導入当初は苦労しましたが、今ではスムーズに3D化できるようになりました。内製化することで利益率は向上し、社内にノウハウが蓄積されていきます。これまでに培ったICTに関するさまざまな知見をいろいろなフィールドに活かしていきたいです」と、工務部課長の橋本行生氏は語る。
株式会社今井工務店
オペレーター
竹田弘美 氏
株式会社今井工務店
工務部課長
橋本行生 氏