廃プラスチックのリサイクルの流れではまず、廃プラスチックを回収し、同社の施設へと搬入する。回収したプラスチックは選別後、破砕機に投入し、50~150㎜に破砕。破砕したプラスチックを圧縮し、結束材で梱包・ラッピングし、ベールと呼ばれる一辺1mの立方体へと加工する。このベールがリサイクルの原料となる。ベールは場外の燃料保管ヤードで保管され、適宜納品先へと搬出される。
ベールの移動に利用しているのがコマツの電動式フォークリフトFE30Gだ。クランプ仕様でベールを挟んで運搬している。FE30Gの最大の特徴は急速充電が可能な大容量リチウムイオンバッテリーを搭載していることだ。導入に際しては、まず鉛バッテリーの電動式フォークリフトをデモ機として試験的に採用。稼働時間や充電に要する時間、および燃料費やメンテナンス費といったランニングコストなど、運用する場合のシミュレーションを十分に行った。
「導入効果は期待以上ですね! 充電時間も長くないですし、静かでクリーン。快適な環境で業務が行えます。ヒーターは多くの電気量を使いますが、バッテリー容量が大きいことと急速充電によって問題なく使えています。電動式はパーツが少ないので、メンテナンスにかかる手間とコストも大きく削減できましたし、ラジエーターの目詰まりの心配もありません」と片野部長は電動式フォークリフトのメリットを語る。
また、充電に関して「1日に3回、お昼の12時、夕方の18時、そして夜中の2時、休憩時間を利用して急速充電を行っているので、業務に影響なく、快適に使えています」と作業現場を取り仕切る環境事業部技術課課長代理の千葉浩弥氏は語る。
急速充電を行うリチウムイオンバッテリー搭載のFE30G
同社ではFE30Gの導入に大きな手ごたえを感じており、2台目の導入を決めている。2台のFE30Gを併用することで更なる業務の効率化が期待できる。また、2台の充電器による2個口での充電で、充電時間をおよそ半分に短縮することが可能だ。繁忙期の急な追加作業などにも余裕を持って対応できる環境が整う。
また、持ち込まれた廃プラスチックの選別作業にはPC138USを使用しているが、大きな移動がないため、有線式電動油圧ショベルへの切り替えも検討している。作業工程の電動化を進め、効率性と環境性を高めていくことが、同社の設備投資における一つの方向性となっている。