愛知王子紙業株式会社 業務部原料課課長 鈴木学 氏
愛知王子紙業株式会社 業務部原料課統括係長 岩下一幸 氏
同社では、いわゆる物流・運送業界の2024年問題への対応策として、女性を含む未経験者の採用を積極的に進めている。「現在、幅広くオペレーターを募集しているところです。未経験者も大歓迎です。フォークリフト免許の取得も全面的にバックアップ。もちろん、免許取得に関わる費用は全額当社で負担します」と國廣所長は人材確保に向けた取り組みを説明する。
同社ではもともと、製品の包装を行う仕上げ部門や検品などを行うサービス部門には女性が多く在籍しており、意志がある従業員はオペレーター職への異動が可能だ。ちなみに女性従業員の約半数がフォークリフトの免許を取得している。女性オペレーターの松山里穂氏は3年前からフォークリフト業務を行っている。「初めてフォークリフト(FH80)を目の前にしたときは、その大きさに少し戸惑いましたが、慣れてくると操作は断然楽しいですね! 上達すると成長を実感できますし、先輩に褒められることがモチベーションにもなっています」と、松山氏はオペレーター業務に対する充実感を話す。女性が快適に働ける環境をより充実させるために、同社では各種施設の整備を進めていく予定だ。
松山氏が操作を行っているFH80。約1tのベールを4つ挟み込んで運搬する
業務効率の更なる向上のために、今後は機械化の推進やAI技術の導入などを積極的に推進するという。「当社ではフォークリフトなど大型の機械を活用していますが、異物混入防止などの検品作業は手作業で行っています。業務効率を高めるためにも、機械ができるところは機械に任せ、人でないとできないところは人が行い、業務の精度と効率を向上し、生産性を高めていきたいと考えています。また、王子グループは『環境との調和』を目指していますので、CO₂の削減につながる機械の電動化にも取り組んでいきたいです。その点に関しては、コマツの協力がますます重要になっていくでしょう」と、國廣所長はビジョンを語る。
女性を含むすべての従業員が、自身の力を存分に発揮できる快適な環境を日々模索し続けている愛知王子紙業。風通しのよさが企業の成長を支えているのかもしれない。