根本建設株式会社 代表取締役会長 根本良久氏
根本建設株式会社 代表取締役社長 根本幹夫氏
根本建設株式会社 常務取締役 安彦隆生氏
同社ではICTの推進にアプリを積極活用している。ダンプへの土砂の積み込みには、ペイロードメーターで油圧ショベルのバケットの重量を計測し、積載重量を管理するアプリ「Smart Construction Fleet」と連携させている。ダンプにはFleetデバイスが搭載されており、油圧ショベルのタブレット上にダンプごとの最大積載量やリアルタイムでの積載量が表示される。これにより、過積載の防止と、積載量の最適化による運搬効率の向上を実現する。「ペイロードメーターで土量を測りながら作業ができるので、ダンプの積載量に対して100%近くまで土砂を積み込むことができます。手間がかかり感覚によるところも多かった作業が、簡単かつ正確にでき、過積載の心配もなくなりました」と、オペレーターの伊藤洸貴氏は語る。
同社では、地域の活性化につながるさまざまな活動を行っている。小学生を対象とした現場の見学会もその一つだ。参加した児童は目を輝かせ、大きな建機に歓声をあげるという。また、採算が厳しく請け負う企業が少ない除雪業務にも積極的だ。
地域と良好な関係を結び、成長を続ける同社だが、人材の確保には苦戦している。「従業員は高齢化し、若い人のなり手は多くない。こういう状況でこそICTは有効です。通常10年かけてようやく一人前のところが、ICTを活用すれば1~2年である程度仕事がこなせるようになります。ICTを上手く活用して、人材の活性化にも役立てたいと思います」と、根本幹夫社長は語る。ICTによる生産性の向上、人材の育成、そして魅力的な企業づくり。ICTをいかに活用するか。そのヒントが根本建設の取り組みのなかにある。
ICT建機を活用し効率的な業務を行っているオペレーターの国分一美氏