ダウンタイム削減で実働時間の拡大とコスト削減を実現

八代港運 株式会社 総括主任 森下浩一 様/福田政利 様

八代港運 株式会社様 稼働現場紹介

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近年、中国をはじめとする東アジアからの大型クルーズ船の寄港地として賑わう八代港。その一角に本社を置く八代港運 株式会社(熊本県八代市新港町、松木充尚社長)は港湾荷役・輸出入通関業務・倉庫業・運送事業・代理店業務など幅広く港湾業務関連事業を手掛ける。
貨物の保管業務も手掛ける同社では、地元に工場を置く大手パルプメーカー向け木材チップ約13万トン(※)分のストックヤードを管理。貨物船からは一度に4~5万トンの木材チップが荷揚げされ運び込まれる。
ストックヤード内に、小山のように積みあがった荷揚木材チップの払出・押し回し作業を担っているのが、2台のコマツ製ブルドーザーD155AX-7チップヤード向特殊仕様車。
抜群の登坂能力は、急勾配をものともせず大量のチップの押し上げ作業を黙々とこなす。
※文中の表示は全て乾燥重量(BDT)

(写真:今回取材に応じて頂いた森下浩一総括主任(右)と福田政利さん)

木材チップのダストでエンジンがオーバーヒート

「多い時で6万トンから13万トン、平均すると8万トン近くの⽊材チップを常時保管しています」と話すのは、同社原材料担当の森下浩⼀総括主任。荷揚げされた⽊材チップはベルトコンベアーで同社のストックヤードまで運ばれ、⾼さ⼗数メートルに達するチップの⼭をいくつも築いていく。
この広⼤なストックヤードのチップの⼭の中で活躍するのがコマツ製ブルドーザーのD155AX-7チップヤード向特別仕様⾞。主にストックヤード内での⽊材チップの押し上げ作業、払出作業を担う。⼤量のチップが運び込まれる荷揚げの⽇は、昼夜問わず連続16時間以上の稼働も珍しくないという。
ストックヤードでは無くてはならない存在のブルドーザーだが、実際の稼働現場では⽊材チップに混じるダスト対策にこれまで常に悩まされてきたという。

(写真:ストックヤードに積み上げられたチップの⼭。時に18メートルの⾼さに達することも)

ダスト対策に様々な⼯夫を盛り込んだD155AX-7チップヤード向特別仕様⾞

「作業中、特に乾燥した季節はダストが舞い上がり、ブルドーザーのラジエターやコンデンサ等のフィン間に付着、目詰まりが原因となりオーバーヒートに。
また、エンジンルーム内にダストが侵⼊すると⾞両⽕災の原因にもなります。
それらの対策として、今までは水温・油温が下がるまで機械を止めたりしつつ、その都度頻繁に掃除する必要がありました」と話す。
現在稼働しているD155AX-7チップ仕様⾞は、同社が⻑年悩まされてきたダストの影響を極⼒抑える様々な⼯夫が盛り込まれている。

(写真:チップの⼭をかき分け、荷役ー払出作業をこなすD155AX-7チップ仕様⾞)

油圧駆動ファンでダストを吹き⾶ばし、連続16時間の稼働を実現

「ダストによる冷却系目詰まりに起因するオーバーヒートに悩まされていた頃、コマツの担当者と⼤阪⼯場の開発担当技術者の方が現場に来られて現地調査。
同時に現場の希望などについて打合せさせて頂き、その結果ダスト対策を施したチップ仕様車の提案を頂き、4年前に1台目のD155AX-7導入をお願いしました」

新型⾞両は、悪条件下の連続稼働にも耐えられるよう冷却系統の大幅な改良を実施。
特殊メッシュのラジエター採用と冷却機器設置場所変更、逆転機能付き油圧駆動ファンの採⽤で運転席からのスイッチ操作で冷却機器付近に積もったダストを吹き⾶ばすなどの対策を実施。
また日々の掃除や点検の簡易化を目的としたエアコンコンデンサ移設やプレフィルタ増設によるキャブ内快適環境維持への対策、それらに加え取付方法や形状を変更した各種カバー類の採用などで、それまで一日に数度必要だったメンテナンス時間を削減しつつ、安全・快適に稼働できるよう数多くの改良を施した結果、連続稼働時間の拡⼤に繋がり、より⼀層作業の効率化を実現した。

(写真:STD仕様車に⽐べ、約1.5倍の⼤きさの専用ブレード)

メンテナンス回数と手間が減り、実働時間が⼤幅に拡⼤

「以前の保有機と⽐較すると、エンジンや油圧系統の温度上昇が抑えられ⻑時間の稼働が可能となりました。実質稼働時間は20~30%程度伸びていると思います。
ダストの詰まりも各所で改善されているので、エアクリーナやラジエターなどの掃除やメンテナンスは1⽇に⼀回程度あるかどうかですね。
STDのブルドーザーなら、そうしたメンテナンスが1⽇で3~4回は必要です。1回あたり20分ほどかかるので、1⽇で1時間以上は機械を休ませることになります。1年で考えたら稼働時間に⼤きな差が出ますね。またKOMTRAXやKOMATSU CAREでコマツさんが機械管理を手助けしてくれているので機械管理の面でも⼤変助かり、結果的に経費削減の効果も期待できます。また性能⾯では登坂力が以前にも増して向上していますね」。
今後の要望として森下統括主任は「長期的な良いコンディションを維持するため、冷却機能を更にレベルアップしたブルドーザーの開発をお願いしたい」と語った。

お客様プロフィール

八代港運 株式会社

<事業内容>
■船舶貨物積込・荷下ろし等の港湾荷役業全般
■輸出入通関業務
■倉庫業、運送事業、代理店業務等


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