自走式土質改良機リテラを活用し、独自の土質改良工法を確立

株式会社 𠮷村産業

社長 𠮷村 俊之 様

きっかけは「面白い機械がある」の一言

父親である先代から跡を受け継ぎ、87年に㈱𠮷村産業を設立した𠮷村俊之社長。それまでの砂利運搬販売に加え、重機による造成工事、一般土木工事、解体工事及び廃棄物の収集運搬など、事業の幅を順次拡大していく中、2001年、同社はコマツ製自走式土質改良機リテラBZ200を導入。地元業界に先駆け土質改良事業を開始した。建設現場で発生する建設発生土を現場内で改良土として処理し、さらに埋め戻し用に利用するという循環型の土質改良工においてパイオニア的存在となる。
同社にとって、その後の事業展開を大きく変えるきっかけとなった土質改良機 BZ200導入の経緯とその活用法について、𠮷村俊之社長に聞いた。

「20年程前、コマツの営業担当者から面白い機械があるので見てみないかと言われたのが土質改良機リテラを知るきっかけでした」と当時を振り返る㈱𠮷村産業(福岡県筑紫野市)の𠮷村俊之社長。

建設現場の廃土処理は残土処分場に廃棄することが当たり前で、土質改良機に関心を向ける業者はほとんどなかった当時、環境保護や産業廃棄物処理について社会の関心が高まるに連れ、今後こうした機械が必要になると確信した𠮷村社長は、コマツ製土質改良機リテラ BZ200の導入を決断する。

(写真:取材に応じる𠮷村俊之社長)

試しに使ったプールの改修工事で予想外の高評価

「リテラの話を聞いてしばらくした頃、小学校のプールの改修工事で、解体工事と基礎の土工事を受注しました。工事を進めるうちに、プールの建設場所の地盤が非常に軟弱で、セメントを使った地盤改良工事が必要だということになったのですが、そばには田んぼに稲が生え、住宅も建っていました。セメントと土を混ぜるときに発生するセメントの飛散が周囲に被害を与えてしまう恐れがあったので、ほかに方法はないかと考えていた時、コマツさんのリテラの事を思い出しました。役所の担当者も交え工事関係者と相談し、試しに使ってみようということになり、建設現場の土をリテラの場所まで持ち込み、そこで改良土を作りました。結果としてとても混合品質の良い改良土が出来たため、役所や工事関係者からも高い評価を頂きました」。

リテラBZ200導入で、独自の土質・汚泥改良工法を確立

この一件で𠮷村社長は確かな手応えを感じつつも、リテラは当時の一般的な重機に比べかなり高額だったため、すぐに導入というわけにはいかなかったという。投資に見合う採算が取れるかどうか不安だった𠮷村社長は残土処理にかかる費用を改めて調べたところ、予想以上の費用が掛かっていたことから、リテラを導入することで、残土処理費用をかなり削減できると判断し、導入へと大きく傾いていったという。「しかし、いざ契約を交わすとなると、初期投資費用の高さから簡単には決断できませんでした。私が契約をためらっていると、コマツさんから、新車ではなく、程度の良い中古車の提案があり、それならと導入に踏み切りました」。
その後、福岡県内の残土の処分場も次第に少なくなり処理費用も高騰する中、地盤改良工事の受注も徐々に増え、同社の新事業は順調な滑り出しをみせる。

その後同社では根切工事から埋め戻しに至る土工事を一括で受注できる土質改良工を確立。さらに事業を拡大していく。
「マンション建設の基礎工事で、杭工事の際には大量の建設汚泥が発生します。この汚泥は含水率の高いモルタルの混じったもので、通常は処分費を払って産廃処理施設で処理してもらうのですが、リテラを使えば、現場内で改良土として処理ができ、埋め戻し用の土砂として再利用できると考えました。幸い当社は中間処理業者の許可も持っていましたので、現場内での処理が可能で、そのため土砂の搬出費用が抑えられ、工事の行程の短縮にも貢献することができました」。
その後同社の提案は多くのハウスメーカーやマンションデベロッパーから採用されることになる。
ただ事業を継続していく中で問題点も浮き彫りになってきたという。

事業を継続していく中、問題点も浮き彫りに コンパクトで処理能力の高いリテラの開発に期待

「ハウスメーカーさんの建設現場は敷地にあまり余裕がないため、全長が13m近いリテラを現場内に置くことが難しいことから、仕事を請けることができない現場もありました」。その後同社ではそうした敷地の狭い現場にも対応できるよう、小型の土質改良機BZ120を新たに導入し、受注の幅を広げていく。

今後の事業展開について𠮷村社長は「土質・汚泥改良工は、これまで蓄積したノウハウを生かせる、ほかにはない当社の強みとして、今後も技術を高めていきたいと考えています。そのためにも、コンパクトで、処理能力の高いリテラの開発を期待したい」と語った。

お客様プロフィール

株式会社 𠮷村産業

<事業内容>
■土質・汚泥改良工・ハーデンソイル施工工事
■一般土木工事 ■重機造成工事
■建造物解体 ■廃棄物収集運搬処分業
■改良土・砕石等販売
HP:http://www.s-yoshimura.co.jp/


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