入所者にできるだけ高い賃金を払えるようにと、同法人では効率的な収益事業の運営に取り組み、現在では農場で生産された新鮮な農畜産物を使ったメニューを提供する農場直営のレストランやカフェの運営、自社ブランド品の拡販にも力を注ぐ。
「この場所は、以前は一面の桑畑でした。ここに農場を開くにあたり、圃場の整備から始め、その後施設や建物を建設し現在のような施設になりました。国内では北海道で大規模に展開している農福連携の事業所がありますが、全国的には同様の施設は少ないですね。鹿児島県内ではここと同規模の施設は他にありません」。
花の木農場が特に力を入れているのが、お茶、養豚、ニンニクといった需要の高い農畜産物で、肥育用の子豚の生産は年間約2000頭、お茶は農場内に約7町分の圃場を整備し、大隅茶のブランドで出荷している。このほかにも牛32頭、米、水耕野菜、イチゴ、ミニトマトなど生産品目は多岐にわたる。最近では耕作放棄地を借りるなど、一層の生産拡大にも力を入れている。
重機導入が入所者のやる気やチャレンジする気持ちを引き出してくれた
「入所者にとっては、最初は難しいと思えた作業も、機械操作に慣れるに従い次第に上手くなり、しかも作業にやる気がでてきたのはうれしい誤算でした。機械好きの入所者もいるので、その効果は絶大ですね。刈り払い機を使って1日で10mほどしか草刈り作業ができなかった入所者が、今では重機の運転までこなせるようになるなど、本人の意欲の向上にもつながっていると感じています」と重機導入の成果を語る久保 豊和係長。
同農場の取り組みは、白鳩会が掲げる職員と利用者が共に汗を流し共に育つ「共汗・共育」の精神の顕れであると同時に、障がい者自立支援の新たな可能性をも感じさせてくれる。
社会福井法人 白鳩会
<事業内容>
■障がい者支援施設
■障がい福祉サービス事業所
■相談支援事業所
HP:https://shirahatokai.jp/